溶連菌によるのどの感染症

溶連菌によるのどの感染症

発熱・感染症β版・逐条レビュー継続中

2026-07-30更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

家族説明を開く

30秒要約

  • よくある細菌性咽頭炎。診断は迅速抗原など施設手順。抗菌薬は指示日数を飲み切る。
  • 気道緊急(流涎・開口制限・喘鳴)と毒素性・侵襲性のぐったりを見逃さない。
  • 熱5日+川崎病サイン、治療後の腎炎・リウマチ様は別経路。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
119嚥下不能・開口制限・呼吸苦、急な四肢痛腫脹、ショック様家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
緊急脱水(水分不可・無尿・涙なし)家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日2-3日で不応、5日熱+川崎サイン、治療後の血尿・浮腫・不随意運動家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. 気道と毒性を先に除外。
  2. 検査・抗菌薬は施設プロトコル。量は書かない。飲み切りを強調。
  3. 猩紅熱様発疹は悪化そのものではないが、気道緊急や川崎とは切る。
  4. 家族説明 → Family Guide「溶連菌によるのどの感染症」。

家族に渡す一文

「よくあるのどのばい菌です。熱が下がってもお薬は指示どおり最後まで。唾が飲めない・口が開かない・ぐったりはすぐ連絡。数週間後の赤いおしっこやむくみも相談してください。」
https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/溶連菌によるのどの感染症について_患者説明_2026-07-30.html

エスカレーション

  • 深頸部感染疑い、侵襲性、川崎疑い → 上級医

出典

  • Family Guide strep-throat(2026-07-30)と整合

計算

kgこのシートの計算すべてに反映。タブを閉じるまで保持されるので、患者が変わったらクリアする。
スコア

Centor/McIsaac 基準

年齢補正(McIsaac)

合計 1

3歳未満には通常適用しない — GAS咽頭炎自体が稀で、濃厚接触歴または周囲での流行がなければ検査自体が原則非推奨。最高点(4点)でもGAS陽性率は68%にとどまるため、点数だけで抗菌薬を決めない。

いつ使う

3歳以上の咽頭痛で、GAS迅速抗原検査を出すかどうかの事前確率の当たり付け。原則2〜3点以上で迅速抗原検査を検討する。陽性なら培養は不要(特異度95%)。

落とし穴
  • 伝染性単核症(EBV・CMV等)は容易に高得点になる — 耳介後部・後頭部リンパ節腫脹、脾腫、リンパ球分画35%以上が示唆所見
  • 咳・鼻汁・結膜炎などウイルスを強く示唆する所見があるときは事前確率が低く、検査自体が過剰
  • 無症状児の10〜30%がGAS保菌 — スクリーニング検査は偽陽性的に拾って過剰治療になる
  • 迅速検査陰性後の繰り返し検査は陽性率を上げない
  • 発熱5日以上・口唇の紅潮亀裂・眼球結膜充血・四肢末端の変化を伴うなら川崎病を鑑別に(猩紅熱様皮疹・いちご舌・頸部リンパ節腫脹は所見が重なる)
次の一手

スコアの前に、まず急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍/咽後膿瘍・Lemierre・劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)のレッドフラグを外す(本シート§1)。陽性ならアモキシシリン水和物10日間の適応判断へ(用量の考え方は§4)。

出典

厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」第四版 医科・外来編(McIsaac基準=学童期以降の小児編 p.26/Centor基準=乳幼児編 p.64、4点でも陽性率68%・3歳未満の検査適応=p.63-65)。URLは本シート詳細リファレンス参照。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

処方

処方

処方の考え方

GAS迅速抗原検査が陽性のときの処方。除菌によるリウマチ熱(ARF)の一次予防が主目的で、発症から9日以内の抗菌薬開始で予防効果が示されている。

ペニシリンアレルギー

3歳未満は原則としてGAS検査・治療の適応外(GAS咽頭炎自体が稀で、続発するリウマチ熱も少ない)。濃厚接触歴があるか周囲で流行している場合のみ例外。

この数字の意味

体重換算の考え方であって処方箋ではない。実際の剤形・力価(ドライシロップ10%/20%等)と採用薬は施設ごとに違い、本シートの「院内ローカルルール」(§6)は未確定のまま。g・包数への換算は院内採用を確認したうえで行う。

薬剤名だけで用量が出ないものは、正本にその記載が無いということ。推測の数字は出さない。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

詳細リファレンス10章(正本より)

出所: 正本「A群溶連菌性咽頭炎_2026-07-30.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。

  • 区分: 外来編/疾患別ワークフロー
  • 記録日: 2026-07-30
  • 状態: 下書き(要・本人確認)
  • 対象: 小児外来(愛育病院)

⚠ 本ファイルはAIが文献ベースで起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ記載し、個別患者値は書かない。

医師確認事項(要・岡本判断)

敵対的検証で指摘され、AIの判断だけでは確定できない論点を集約。以下5点は本文に反映済みだが、内容・表現・運用への組み込み方は岡本の確認を要する。

  1. 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の追記(セクション1・5): 内容自体(四肢激痛・急速腫脹・ショック徴候→緊急搬送)は確立情報だが、本ワークフローの搬送閾値・院内動線にどう落とし込むかは運用判断。2023年以降の国内急増を踏まえ追記した。
  2. クリンダマイシン重症感染症時の用量(セクション4): 添付文書が一般に示す「重症感染症」用量(20mg/kg/日)と、手引き第四版がGAS咽頭炎の代替薬として明記する用量(30mg/kg/日 分3・最大900mg/日)が異なる。本稿は手引き第四版の数値に合わせたが、院内標準としてどちらを採用するかは要判断。
  3. 川崎病の鑑別追記(セクション2): 猩紅熱様皮疹・いちご舌・頸部リンパ節腫脹という所見の共通性から鑑別として追記(安全側の追加)。遷延性発熱時の紹介・対応フローの書きぶりは要確認。
  4. GASのマクロライド/クリンダマイシン耐性率「24%/61%」の記載(セクション4): 手引き第四版内に該当数値の記載を確認できなかった(第二版由来の可能性)。一次文献未特定のため、残す・削る・出典差し替えのいずれにするか判断が必要。
  5. NSAIDs使用に関する注意喚起の要否(セクション4): 侵襲性GAS感染症とNSAIDsの関連は症例報告・総説レベルの議論で、日本のGLに明文化された禁忌ではない。注意喚起文言を入れるか、入れる場合の強さは要判断。
0. 一目でわかるフロー
受診(咽頭痛・発熱)
  → レッドフラグ評価(扁桃周囲膿瘍/咽後膿瘍/急性喉頭蓋炎/Lemierre/劇症型溶連菌感染症〔STSS〕等の徴候→即・上位/紹介)
  → 3歳未満か? → Yes: 原則GAS検査・治療の適応外(濃厚接触歴 or 周囲での流行があれば例外)
                → No : Centor/McIsaac基準で事前確率を評価
  → 事前確率が高い(原則2〜3点以上)→ 迅速抗原検査(陽性→培養不要)
  → 陽性: アモキシシリン水和物 10日間(GAS除菌=リウマチ熱予防が主目的)
  → 陰性/未施行かつウイルス性が濃厚: 抗菌薬投与せず対症療法
  → 再診・帰宅指導(登校基準・リウマチ熱/腎炎徴候・脱水徴候の説明)→ 紹介基準に該当すれば紹介
1. レッドフラグ(見逃し厳禁)
  • 急性喉頭蓋炎: 突然発症・高熱、流涎(唾液を飲み込めない)、開口障害、吸気性喘鳴(stridor)、sniffing position/tripod position(三脚様姿勢)。小児では口腔内診察・採血・レントゲン撮影などの刺激で気道閉塞が急速に増悪しうるため、これらの検査は行わず、安全に気道確保できる施設へ速やかに搬送する [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(一般外来における成人・学童期以降の小児編 p.26/一般外来における乳幼児編 p.65)]。
  • 扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍・Ludwigアンギーナ・Lemierre症候群: 「人生最悪の喉の痛み」、開口障害(trismus)、嚥下困難・唾液を飲み込めない(流涎)、片側性の激しい咽頭痛、口蓋垂偏位、耳への放散痛、頸部腫脹/項部硬直・斜頸。急激な全身状態の悪化を伴う [出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65/日本小児感染症学会誌 小児感染免疫 Vol.32 No.4 (2020) https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03204/032040315.pdf]。
  • ⚠要医師確認: 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS): GAS咽頭炎の経過中またはその前後に、四肢の激しい疼痛・急速な腫脹、意識障害、血圧低下(末梢冷感・頻脈・尿量低下等のショック徴候)を認めた場合は劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS、いわゆる「人食いバクテリア」感染症)を疑い、直ちに救急・集中治療対応(血液培養・広域抗菌薬・クリンダマイシン併用・外科的評価を含む)が可能な施設へ紹介・搬送する。通常軽症の咽頭炎を起こす同じGASが、数十時間以内に軟部組織壊死・多臓器不全・ショックへ進展し致死率30〜40%に達することがある。2023年夏以降、病原性の高いM1UK系統株の国内集積を背景に報告数が急増している(2024年1〜3月だけで38府県126例) [出典: 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/STSS/index.html/東京都感染症情報センター https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/s-group-a//「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について」https://id-info.jihs.go.jp/risk-assessment/streptococcal-toxic-shock-syndrome/stss-2023-2024.html]。
  • 猩紅熱(scarlet fever): GAS咽頭炎の一病型。発熱後12〜24時間で紙やすり様の鮮紅色発疹(顔面は口囲蒼白を伴う頬部紅潮)、発症2〜4日後にいちご舌(苺舌)が出現する。緊急性は高くないが見逃すと保護者説明で混乱するため押さえる [出典: 日本小児科学会 溶連菌感染症 https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho03-07.html]。
  • リウマチ熱(急性リウマチ熱: ARF)を疑う徴候: GAS咽頭炎の先行感染から通常2〜3週間後に、移動性多関節炎、心炎(新規雑音・心不全徴候)、舞踏病(Sydenham chorea)、輪状紅斑、皮下結節などが出現しうる(症状の詳細はJones基準に基づく一般的な臨床知識であり、下記手引きの引用範囲外)。これらを認めた場合は小児循環器専門医への紹介を検討する。GAS咽頭炎の治療(抗菌薬)はリウマチ熱の一次予防が主目的であり、発症から9日以内の抗菌薬開始でARF予防効果が証明されている [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(乳幼児編 p.66)]。
  • 咽頭痛の非典型的放散痛: 嚥下痛が乏しいのに咽頭痛を訴える場合、急性心筋梗塞・くも膜下出血・頸動脈解離・椎骨動脈解離などからの放散痛の可能性も指摘されている(成人が主だが鑑別の視点として記載)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26]。
2. 重症度・病型の判定

Centorの基準/McIsaacの基準(GASによる咽頭炎の可能性を判断する参考指標。年齢補正を含むのがMcIsaac)[出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(McIsaac基準=学童期以降の小児編 p.26/Centor基準=乳幼児編 p.64)]

項目点数
発熱 38℃以上1点
咳がない1点
圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹1点
白苔を伴う扁桃腫脹1点
年齢 3〜14歳+1点(15〜44歳 0点、45歳以上 -1点)
  • 小児でもCentor基準は用いられるが、最高得点(4点)でもGAS陽性率は68%にとどまる。点数のみでGASと判断すると過剰診断・過剰治療につながるため、より正確な診断には検査診断(迅速抗原検査)が必要 [出典: 同手引き 乳幼児編 p.64]。
  • GAS咽頭炎とウイルス性咽頭炎の鑑別所見: GAS咽頭炎は突然発症・発熱・頭痛・嘔気嘔吐・腹痛・圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹・猩紅熱様皮疹が特徴的。ウイルス性咽頭炎は結膜炎・咳嗽・嗄声・鼻汁・筋肉痛・下痢を伴うことが多い [出典: 同手引き 乳幼児編 p.64 表3]。
  • 3歳未満での特記事項(重要): GASによる急性咽頭炎は5〜12歳で頻度が高く、3歳未満では稀。3歳未満ではGAS咽頭炎自体が少ないことに加え、続発する急性リウマチ熱(ARF)の合併も少ないため、GAS咽頭炎患者との濃厚接触歴がある場合、または周囲でGAS咽頭炎が流行している場合を除き、原則として検査を行わないことが推奨されている(3歳未満にはCentor基準も通常適用しない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63(疫学)・p.64-65(検査適応・表5)]。
  • ⚠要医師確認: 川崎病の鑑別: 発熱が5日以上遷延する、口唇の紅潮・亀裂、眼球結膜充血、四肢末端の紅斑・浮腫(回復期の膜様落屑)、多形性発疹を伴う場合は川崎病を鑑別に挙げ、GAS陰性または抗菌薬投与後も解熱しない場合は特に注意する。3歳未満はGAS咽頭炎自体が稀な年齢層であり、この年齢で上記所見を伴う発熱をみた場合は川崎病を優先的に検討する(猩紅熱様皮疹・いちご舌・頸部リンパ節腫脹という所見の共通性から、GAS咽頭炎との鑑別で見落としやすい)[出典: 国立成育医療研究センター「川崎病」https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/030.html/日本川崎病学会 川崎病診断の手引き(改訂6版)]。
  • 伝染性単核症(EBV・CMV・HIV・風疹ウイルス・トキソプラズマ等)との鑑別: Centor/McIsaac基準では容易に高得点になり鑑別困難。耳介後部・後頭部リンパ節腫脹や脾腫、血液検査でリンパ球分画35%以上が伝染性単核症を示唆する所見として報告されている [出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26]。
3. 検査
  • 必要:
  • 3歳以上で、咽頭炎の症状・症候があり、事前確率が高いと判断した児に対するGAS迅速抗原検査(感度70〜90%、特異度95%。特異度が高いため陽性であれば培養検査は不要)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65 表5]。
  • GAS迅速抗原検査で陰性だが臨床的にGASの可能性が高いと判断される場合の追加培養検査(標準検査法だが流行期は保菌者も多く鑑別が難しい点に留意)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
  • 不要・過剰になりがち:
  • 3歳未満児への迅速検査(濃厚接触歴がある場合、または周囲で流行している場合を除き原則不要)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63・p.65]。
  • 咳・鼻汁・結膜炎などウイルス感染症を強く示唆する所見がある場合の検査(事前確率が低い)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
  • 無症状児へのスクリーニング検査(無症状児の10〜30%にGAS保菌が認められるため、検査すると偽陽性的に「陽性」を拾い過剰治療につながる)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.63]。
  • 迅速検査陰性後の繰り返し検査(繰り返しても陽性率は向上しない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
4. 治療
  • 第一選択:(アモキシシリン水和物内服。※以下は体重換算の一般的な考え方であり、個別処方値ではない)
  • 用量の考え方: アモキシシリン水和物 30〜50mg/kg/日(分2または分3)、最大1,000mg/日内服10日間
  • 目的は3つ: ①GAS除菌によるリウマチ熱(ARF)予防(発症9日以内の抗菌薬開始で予防効果が証明されている)、②症状の早期緩和(抗菌薬は有症状期間を半日〜1日短縮)、③周囲への感染伝播防止 [出典: 厚労省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編 乳幼児編 p.66]。
  • 治療期間は10日間を推奨(短期4〜6日の非ペニシリン系抗菌薬との比較では、短期群は症状消失がやや早いが再燃率が高いとの報告がある。副作用・リウマチ熱/腎炎合併率に有意差はなし)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
  • アモキシシリン水和物とセファロスポリン系抗菌薬の比較では、除菌率はアモキシシリン水和物群で有意に高いとする日本の研究がある(91.7% vs 82.0%、p=0.01、再発率に差なし)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
  • 第二選択・無効時:
  • 軽症のペニシリンアレルギーには経口第1世代セファロスポリン系(セファレキシン)。
  • 重症のペニシリンアレルギー(アナフィラキシー等)にはクリンダマイシン 15mg/kg/日(分3、5mg/kg/回1日3回)、10日間経口投与⚠要医師確認: 重症感染症時は30mg/kg/日(分3、10mg/kg/回1日3回)、最大900mg/日、10日間(手引き第四版の明記値。添付文書が一般に示す「重症感染症」用量20mg/kg/日とは数値が異なるため、院内標準をどちらにするか要判断)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
  • ⚠要医師確認: 日本ではGASのクリンダマイシン耐性が24%、マクロライド系への耐性も61%と高いと報告されている(旧版由来の記載を踏襲)。手引き第四版の該当節にはこの数値の記載を確認できず、一次文献を特定できていない。使用する際は可能な限り施設の感受性結果を参考にし、この耐性率データ自体の妥当性・出典は要再確認 [出典未確定]。
  • やってはいけない/非推奨:
  • 迅速抗原検査・培養検査でGASが検出されていない急性咽頭炎への抗菌薬投与(多くはウイルス性で抗菌薬の適応がない)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65-66]。
  • Centor/McIsaacの点数のみでGASと確定し治療すること(小児では最高得点でも陽性率68%であり過剰診断・過剰治療につながる)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.64]。
  • 咽頭痛を訴える患児で、扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍・急性喉頭蓋炎などを疑うRed Flagがある場合に、口腔内診察・採血・レントゲン撮影などで患児を刺激すること(気道閉塞増悪のリスク)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65]。
  • 「抗菌薬でリウマチ熱は防げるが糸球体腎炎は防げない」という理解の欠如: 溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)に対する抗菌薬の予防効果はリウマチ熱ほど確立しておらず、感染後36時間以内かつ腎炎確立前の投与でのみ限定的な予防効果の可能性が指摘されているにとどまる。過度に「抗菌薬で腎炎も防げる」と説明しないこと [出典: MSDマニュアル プロフェッショナル版「感染後糸球体腎炎(PIGN)」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/03-泌尿器疾患/糸球体疾患/感染後糸球体腎炎-pign]。
  • ⚠要医師確認: 咽頭炎に伴う解熱鎮痛薬選択について、侵襲性GAS感染症を疑う所見(四肢の激痛・急速な腫脹等)がある場合はNSAIDs使用の是非を含めて慎重に判断する、という注意喚起の要否。劇症型溶血性レンサ球菌感染症とNSAIDsの関連は複数の症例報告・総説で議論されているが、日本のGLで明文化された禁忌ではないため、記載の要否・強さは岡本の臨床判断に委ねる。
5. 再診・帰宅指導・保護者説明
  • 再受診すべきサイン(保護者に伝える):
  • のどを強く痛がる、唾液を飲み込めない・よだれが増える、開口障害、呼吸がしんどそう→緊急受診(急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍などを念頭に)[出典: 同手引き 学童期以降の小児編 p.26/乳幼児編 p.65]。
  • ⚠要医師確認: 四肢の激しい痛み・急速な腫脹、ぐったりする、意識がはっきりしない、顔色が悪く手足が冷たい等の症状があれば直ちに救急受診(劇症型溶血性レンサ球菌感染症〔STSS〕を念頭に)[出典: 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/STSS/index.html]。
  • 抗菌薬を指示通り10日間飲みきる必要があること、解熱したからといって自己判断で中止しないこと(リウマチ熱予防のため)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.67]。
  • GASが検出されなかった場合も、大半はウイルス性のため対症療法で経過をみるが、3日以上たって症状が良くならない・悪化する場合は再受診 [出典: 同手引き(要原本確認・該当ページ未確認)]。
  • 水分がほとんど摂れない、半日以上おしっこが出ない、ぐったりして活気がない、泣いても涙が出ない等の脱水を疑うサインがあれば早めに再受診する(乳幼児は嚥下痛のため水分摂取ができず、気道症状が目立たないまま脱水が進行することがある)[出典: 日本小児科学会 一般向け情報(発熱・脱水の目安)https://www.jpeds.or.jp/小児科外来における一般的な脱水評価の考え方]。
  • 治療後数週間してからの血尿・むくみ(腎炎)、関節の痛み・不随意運動・動悸(リウマチ熱)が出た場合は速やかに受診 [出典: 日本小児科学会 溶連菌感染症ページ/同手引き 乳幼児編 p.66]。
  • 経過の見通し:
  • GAS咽頭炎の自然経過は3〜4日で軽快することが多い。抗菌薬は症状の消失をやや早めるが劇的な差ではない(有症状期間を半日〜1日短縮) [出典: 同手引き 乳幼児編 p.66]。
  • ウイルス性咽頭炎(GAS陰性)の場合も通常2〜3日から10日間程度で改善する [出典: 同手引き(要原本確認・該当ページ未確認)]。
  • 紹介・入院の閾値:
  • 扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍を疑う所見(開口障害・片側性腫脹・口蓋垂偏位など)→ 耳鼻咽喉科紹介(ドレナージ適応の判断含む)[出典: 小児感染免疫 Vol.32 No.4 https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/03204/032040315.pdf]。
  • 急性喉頭蓋炎を疑う所見 → 安全に気道確保できる施設へ緊急搬送(院内での刺激的な検査は避ける)[出典: 同手引き 乳幼児編 p.65]。
  • ⚠要医師確認: 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)を疑う所見(四肢激痛・急速腫脹・ショック徴候)→ 救急・集中治療対応が可能な施設へ緊急紹介/搬送(血液培養・広域抗菌薬・外科的評価の適応判断を含む)[出典: 国立健康危機管理研究機構「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/STSS/index.html]。
  • リウマチ熱を疑う徴候(心雑音、多関節炎、舞踏病等)→ 小児循環器専門医へ紹介。
  • ⚠要医師確認: 川崎病を疑う所見(5日以上の発熱遷延+上記所見)→ 小児循環器・入院診療体制への紹介を検討(急性期治療の遅れが冠動脈瘤という不可逆的後遺症につながり得るため)。
6. 院内ローカルルール(愛育での運用)
  • (要確認:院内採用の迅速抗原検査キットの有無・実施体制、アモキシシリン水和物の採用製剤〔10%/20%ドライシロップ等〕、耳鼻咽喉科への紹介経路、当直帯での対応方針、扁桃周囲膿瘍疑い時の搬送先、STSS・川崎病疑い時の搬送/紹介先)
7. 出典

※ 点数・GLは改定される。運用前に最新版を確認。本ファイルは2026-07-30時点で厚労省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(2026年1月16日公表)を確認・反映済みだが、今後さらに版が更新されている場合は差分を確認すること。

検証・修正ログ(2026-07-30)

敵対的検証(8所見)を反映。反映した主な変更:

  • 出典の全面更新: 全編で引用していた「手引き第二版(案)」を、実際に本文を取得・確認した「手引き第四版 医科・外来編」(2026年1月16日公表)に差し替え、ページ番号を再マッピング(学童期以降の小児編p.26、乳幼児編p.63-67)。手引き本文をpdftotextで直接確認し、Centor/McIsaac基準・3歳未満の検査除外条件(濃厚接触歴に加え「周囲での流行時」も例外と明記されていることを確認し追記)・アモキシシリン/クリンダマイシンの用量表と照合済み。
  • クリンダマイシン重症感染症用量を修正: 「20mg/kg/日」→ 手引き第四版に明記された「30mg/kg/日 分3(10mg/kg/回1日3回)、最大900mg/日」に修正。添付文書一般値との差異を明記し⚠要医師確認とした。
  • 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)をレッドフラグ・紹介閾値・再受診サインに追加(セクション1・5)。手引き自体には咽頭炎の文脈でSTSSの記載がないことを確認したうえで、JIHS等の外部一次情報から追記。
  • 川崎病の鑑別をセクション2に追加脱水徴候による再受診サインをセクション5に追加
  • 3歳未満の検査適応除外に「周囲での流行時」の例外を追記(手引き表5と照合済み)。
  • クリンダマイシン/マクロライド耐性率「24%/61%」、NSAIDs使用に関する注意喚起は、手引き第四版内で数値・明文化された禁忌を確認できなかったため、削除も断定もせず⚠要医師確認として残した。

残る要確認点:

  • 上記「医師確認事項」5点(STSS運用への組み込み方、クリンダマイシン用量の院内標準、川崎病紹介フローの書きぶり、耐性率データの出典要否、NSAIDs注意喚起の要否)。
  • セクション5「ウイルス性咽頭炎3日以上で再受診」「ウイルス性咽頭炎2〜3日で改善」の該当ページは手引き第四版内で確認できておらず、要原本確認のまま。
  • セクション6「院内ローカルルール」は未確認のまま(要確認事項欄に記載済み)。

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