よくある「のどのばい菌」による感染症です。仕組みと過ごし方がわかると、落ち着いておうちで見ていただけます。
「溶連菌(ようれんきん)」は、正式には「A群溶血性レンサ球菌(A群レンサ球菌)」という、のどによく感染する細菌の一種です。この細菌がのどに感染して起こる炎症を「溶連菌性咽頭炎」と呼びます。5〜12歳のお子さんに多く、3歳未満ではあまり見られません。
主な症状は、急な発熱・のどの痛み・のみこむときの痛み・頭痛・お腹の痛みや吐き気などです。せき・鼻水・目の充血が目立つ場合は、溶連菌ではなくウイルス性のかぜであることが多いです。
のどの綿棒をこすって数分で結果がわかる「迅速抗原検査」で診断することが多く、陽性であればそれ以上の検査(培養検査)は基本的に不要です。年齢や症状によっては、検査をせずウイルス性と判断して様子をみることもあります。
発疹やイチゴ舌が出ることがあります
熱が出てから1日前後で、紙やすりのようなザラザラした赤い発疹が全身に出たり(「猩紅熱〈しょうこうねつ〉」と呼ばれるタイプ)、数日後に舌がイチゴのように赤くブツブツして見えたりすることがあります。これも同じ溶連菌感染症の一部で、それ自体で特別重い病気というわけではありません。
溶連菌によるのどの痛みは、お薬を使わなくても多くは3〜4日ほどで自然に軽くなります。それでも医師が抗菌薬(こうきんやく)をお勧めするのには、主に3つの理由があります。
3歳未満のお子さんは、そもそも溶連菌によるのどの炎症になること自体が少なく、続発する合併症も少ないため、まわりで流行っている場合や、はっきり感染した人と近くで接した場合を除いて、検査自体を行わないことがよくあります。
Q. 熱が下がってすぐ元気になったので、お薬をやめてもいいですか?
A. やめないでください。症状が消えても、のどの中から溶連菌が完全にいなくなるまでには時間がかかります。指示された日数を最後まで飲みきることが、リウマチ熱などの合併症予防のために大切です。
Q. 発疹が出てきました。悪化しているのでしょうか?
A. 溶連菌感染症の一部として、ザラザラした赤い発疹(猩紅熱様の発疹)やイチゴ舌が出ることがあります。これ自体が悪化のサインというわけではありませんが、気になる場合や広がりが強い場合は診察でご確認ください。
Q. お薬を飲めば腎臓の病気(腎炎)も防げますか?
A. 抗菌薬が確実に予防できるのはリウマチ熱です。腎臓の合併症(急性糸球体腎炎)については、抗菌薬による予防効果ははっきりとは証明されておらず、限定的とされています。そのため治療後もしばらくは、おしっこの色や体のむくみに気をつけていただくことが大切です。
Q. 3歳未満なのに検査をしないと言われました。見逃されていませんか?
A. 3歳未満のお子さんは、そもそも溶連菌によるのどの炎症になること自体が少なく、続発する合併症も少ないことがわかっています。そのため、まわりで流行っていたり、感染した人と近くで接していたりしない限り、検査を行わないことが推奨されています。心配な症状が続く場合は遠慮なくご相談ください。
Q. きょうだいや家族も検査したほうがいいですか?
A. 症状がない家族全員に検査は必要ありません。同居のご家族に発熱やのどの痛みなど似た症状が出た場合に、受診・検査をご検討ください。