水いぼ(伝染性軟属腫)
アレルギー・皮膚β版・逐条レビュー継続中
2026-07-31更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について
30秒要約
- 水いぼ(伝染性軟属腫)。家族説明と同じ受診サインで切る。
- まず毒性・気道・循環を見る。迷ったら上級医。
- 家族には説明ページを渡し、様子見の自己判断を止めさせる。
レッドフラグ
所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。
| 緊急度 | 所見 | 家族に伝えること |
|---|---|---|
| 当日 | 水いぼのまわりが急に強く赤くなる・腫れる・熱っぽい・膿(うみ)が出る、痛みがどんどん強くなる | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
| 当日 | 熱を伴って急に水ぶくれのようなものが広がる、痛みがとても強い(いつもの水いぼの経過とは違う様子) | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
| 当日 | 目のまわりに水いぼが広がり、目やに・充血・見えにくさなどの症状が出てきた | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
| 当日 | 水いぼの数がとても多い、急激に増えている、治療してもなかなか良くならない | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
| 当日 | もともと免疫に関わる治療を受けているお子さんで、急に新しい水いぼが増えた・広がった | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
| 緊急 | (痛みをやわらげるテープを使った場合)使用後に全身のじんましん・息苦しさ・ぐったりするなど、いつもと違う強い症状が出た | 家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す |
問診チェック
初期プラン(コア)
- ABC と毒性を先に見る。
- 上のレッドフラグで 119 / 今日受診 / 説明して帰宅 を分ける。
- 検査・薬は施設プロトコル。用量は書かない。
- 家族説明を渡す。
家族に渡す一文
この説明ページに、今日の判断と受診の目安がまとまっています。当てはまるサインがあれば様子を見続けずに連絡してください。
→ https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/水いぼ(伝染性軟属腫)について_患者説明_2026-07-31.html
エスカレーション
- レッドフラグ、判断に迷う → 上級医
出典
- Family Guide molluscum と整合
詳細リファレンス8章(正本より)
出所: 正本「伝染性軟属腫_水いぼ_2026-07-31.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。
- 区分: 外来編/疾患別ワークフロー
- 記録日: 2026-07-31
- 状態: 下書き(要・本人確認)
- 対象: 小児外来(愛育病院)
⚠ 本ファイルはAIが最新の文献・ガイドラインをWeb検索して起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ・個別処方値や患者情報は書かない。
0. 一目でわかるフロー
受診(保護者が「水いぼ」を主訴に来院/健診で指摘)
│
├─ ① レッドフラグ評価(§1)
│ 免疫不全示唆・眼瞼病変+眼症状・急な有痛性水疱化+発熱・強い二次感染
│ → あれば精査/専門科紹介ルートへ(経過観察・摘除の議論より優先)
│
├─ ② 病型・重症度の判定(§2)
│ 定型(ドーム状・中央臍窩)か/湿疹合併型か/炎症期(治りかけ)か
│ 数・範囲(軽症〜難治型)、年齢、アトピー性皮膚炎の有無を確認
│
├─ ③ 検査(§3)
│ 通常は視診のみで臨床診断。生検は鑑別困難時・免疫不全疑い時のみ
│
├─ ④ 治療方針の共同意思決定(§4)
│ 経過観察 と 摘除(±疼痛緩和) は"どちらも正解"の選択肢
│ → エビデンス上どちらが優れるかは未確定。保護者と相談して選ぶ
│
└─ ⑤ 再診・保護者説明(§5)
自然経過(数か月〜数年)/プール可(タオル等共用回避)/登園登校制限なし
→ 再受診サイン・紹介閾値を明示して終診1. レッドフラグ(見逃し厳禁)
このサインがあれば「水いぼの通常経過」として様子見せず、精査・専門科紹介を検討する。
- 巨大病変(目安1cm超)・急速な増数/播種状拡大・治療抵抗性:免疫不全(先天性免疫不全症、HIV感染、免疫抑制薬使用中など)を示唆する所見。特に基礎疾患不明の児で通常型と明らかに異なる急拡大がある場合は背景精査を検討する[7]。
- 眼瞼・眼周囲の病変+結膜充血/流涙/異物感などの眼症状:濾胞性結膜炎や表層角膜症を合併しうる。皮膚病変が消退すれば眼症状も軽快することが多いが、症状がある間は眼科紹介・二次細菌感染予防の点眼を検討する[眼科関連情報]。
- 発熱を伴う急な有痛性水疱化(特にアトピー性皮膚炎児):水いぼ自体は非有痛性のドーム状丘疹であり、疼痛・発熱・急速な水疱形成はカポジ水痘様発疹症(単純ヘルペスの重複感染)など別疾患を疑う所見。水いぼの自然経過として説明しない。
- 強い発赤・腫脹・熱感・排膿・拡大する疼痛:搔破による伝染性膿痂疹(とびひ)の合併を疑う。抗菌薬治療の適応を評価する。
- 基礎疾患(先天性免疫不全、悪性腫瘍治療中、臓器移植後、HIV等)が既知の児での新規発症・急拡大:専門科(免疫・感染症)と連携し、通常の待機的方針を機械的に適用しない。
- 陰部・肛門周囲に限局する病変(体幹・四肢など他部位に病変がない場合):水いぼの陰部病変の多くは自己接種(掻破による自己拡大)で生じ、単独では性的虐待を意味しない。ただし国際的な小児科教育資料は「陰部病変がある場合は常に性的虐待の可能性に留意し慎重に評価する」ことを推奨しており、外傷痕など他の所見と合わせた評価を行う(国内の一次GLは未特定のため、評価の枠組みは院内・地域の虐待対応体制に従う)[9]。
2. 重症度・病型の判定
- 病型
- 定型:光沢のあるドーム状、中心臍窩を伴う粟粒大〜米粒大(1〜5mm)の丘疹。体幹・四肢・腋窩に好発[3]。
- 湿疹合併型(軟属腫性湿疹):病変周囲に湿疹反応を伴う。アトピー性皮膚炎児で目立ちやすい。
- 炎症期(いわゆる"治りかけ"のサイン):発赤・腫脹し膿疱様に見えることがあるが、これは免疫反応による自然消退過程であり悪化のサインではない。保護者が「バイ菌が入った」と誤解しやすいため説明が要る。
- 重症度の目安
- 軽症:数個〜10個程度、限局部位。
- 中等症:数十個、体幹四肢に散在。掻破・湿疹合併あり。
- 難治型:100個以上に及ぶ多発・播種状、または通常の経過観察/摘除で制御困難。この場合は§1のレッドフラグ(免疫不全)を再確認する。
- 年齢因子:好発は乳幼児期(概ね1〜7歳)。皮膚バリア機能が未熟な低年齢児、ドライスキン・アトピー性皮膚炎の児で数が増えやすく範囲も広がりやすい[1]。
3. 検査
- 必要:
- 通常例は視診のみで臨床診断可能(追加検査は基本的に不要)。
- 診断が非典型で鑑別が困難な場合、または免疫不全を疑う巨大・非典型病変の場合:皮膚生検(軟属腫小体=Henderson-Paterson小体の確認で確定診断)[鑑別診断関連情報]。
- 不要・過剰になりがち:
- 通常例へのウイルス学的検査(培養・抗体検査等)は不要。
- 典型例への画像検査は不要。
- 基礎疾患を疑う所見(§1)がないのに、水いぼの数が多いというだけで免疫不全スクリーニングを行うのは過剰。
4. 治療
- 第一選択:
- 経過観察(無治療) と 摘除(ピンセット/トラコーマ攝子による内容除去) はいずれも臨床的に妥当な第一選択で、どちらか一方が「標準治療」として優越しているわけではない。Cochraneレビューでも単独治療で明確に有効性が確立されたものはなく、免疫能正常児での経過観察(benign neglect)は合理的な選択肢とされている[6]。
- 摘除を選ぶ場合:数が少なければ(目安3個程度まで)無麻酔でも施行可能なことがある[4]。疼痛緩和が必要な場合はリドカイン含有貼付剤(ペンレステープ)を処置の約1時間前に貼付し、除去直前に剥がして摘除する。2012年6月22日、「伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和」の効能・効果追加が承認され保険適用となった(PMDA新医薬品承認リストで承認日を直接確認済み)[5][8]。
- 禁忌:本剤の成分またはアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある児には使用しない。貼付前に必ず既往歴を確認する[8]。
- 使用してはいけない部位:湿疹または発疹のある部位・損傷皮膚(掻き壊し痕等)・粘膜には使用しない[8]。§2の「湿疹合併型(軟属腫性湿疹)」やアトピー性皮膚炎で搔破痕のある病変はこれに該当しうるため、貼付前に部位を個別確認し、該当する場合は疼痛緩和なしでの摘除・複数回に分けての施行・皮膚科紹介などの代替を検討する。
- 重大な副作用:ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。使用中・除去後を通じて不快感・呼吸困難・血圧低下・意識障害等が出た場合は直ちに使用を中止し救急対応する。除去後にも同様の症状が生じうるため、除去後も一定時間の観察が望ましい[8]。
- 年齢に関する留意点:伝染性軟属腫摘除に関する国内第Ⅲ相治験の対象は小児4〜11歳であり、低出生体重児・新生児・乳児を対象とした臨床試験は実施されていない[8]。水いぼの好発年齢(概ね1〜7歳)のうち1〜3歳の低年齢児は治験で直接検証された年齢層の外にあるため、使用可否は個別に判断する。
- 用量の考え方:本剤は体重換算(mg/kg)ではなく1回の処置につき2枚までという枚数上限で規定されている[5]。乳幼児など体表面積が小さい児に広範囲へ多数枚を貼付すると相対的な吸収量が増える可能性があるため、貼付面積・枚数は添付文書の上限内に留める。
- 経過観察を選ぶ場合:自然消退までの期間は個人差が大きく、健康な小児でおおむね6か月〜数年(長い場合は4年程度)とされる[1][3]。免疫能に問題のない児での自然消退は保証された経過であり、「痛い思いをさせてまで摘除する必要はない」という立場も専門医の間で明確に存在する[4]。
- 第二選択・無効時:
- 摘除・経過観察のいずれでも制御困難、または心理的負担が大きい難治例では皮膚科紹介を検討。
- 液体窒素による凍結療法は選択肢の一つとして行われるが、疼痛を伴い保険適用や実施体制は施設ごとに異なる[要確認]。
- 保湿・湿疹治療の併用:バリア機能低下(ドライスキン・アトピー性皮膚炎)が拡大の背景にある場合、保湿とスキンケアの強化が拡大抑制に資すると考えられている[1]。
- やってはいけない/非推奨:
- イミキモド外用:エビデンス上プラセボ(基剤)と比較して治癒率に有意差がなく、適用部位反応がむしろ増えるとされる(かつ日本では本症への保険適用がない)[6]。
- 疼痛緩和なしでの多数個・広範囲摘除の強行:痛覚閾値が下がり児の苦痛が増すため、少数ずつ複数回に分けるか、疼痛緩和処置を用いる[4]。
- 「水いぼがあるからプール禁止・登園禁止」という一律運用:後述§5参照。学会の統一見解と矛盾する対応であり、保護者・園/学校への誤った説明を避ける。
5. 再診・帰宅指導・保護者説明
- 再受診すべきサイン(保護者に伝える):
- 病変周囲の急な発赤・腫脹・熱感・排膿、痛みの増強(とびひ合併の疑い)。
- 発熱を伴う急な水疱形成・強い痛み(水いぼの通常経過ではない)。
- 眼のまわりに広がり、目やに・充血・見えにくさなどの眼症状が出た場合。
- 治療(摘除)後も新しい水いぼが増え続け生活に支障が大きい場合。
- 経過の見通し・登園/登校の目安:
- 自然消退まで数か月〜数年と幅があり、正確な予測は困難であることを事前に伝える[1]。
- 摘除しても、潜伏期間(2〜7週間程度、まれに6か月に及ぶこともある[3])中に感染していた部位から後日新たな病変が出ることがあり、複数回の通院・処置が必要になりうることをあらかじめ説明する[1][3]。
- 治りかけの時期に病変が赤く腫れて見えることがあるが、これは悪化ではなく免疫反応による自然経過であることを説明し、不要な受診・不安を減らす。
- 登園・登校制限は不要。プールも入って構わない(水を介した感染は起こらないとされる)。ただしタオル・浮き輪・ビート板など肌に直接触れるものの共用は避けるよう伝える[1][2]。患部を防水フィルム等で覆うかはプール施設側の運用に合わせる。
- 紹介・入院の閾値:
- §1のレッドフラグに該当する場合(免疫不全示唆・眼症状・とびひ合併の重症化・発熱を伴う有痛性水疱化)は皮膚科・眼科・感染症科等へ紹介。
- 基礎疾患既知の免疫不全児での新規発症・急拡大は、通常の待機的方針を適用せず専門科と連携する。
- 外来での摘除が児の体動・不安等で安全に実施できない場合は皮膚科紹介を検討。
6. 院内ローカルルール(愛育・要確認)
- 要確認:ペンレステープの院内採用状況(在庫・処方経路)。
- 要確認:摘除処置を小児科外来で行うか、皮膚科への紹介を基本方針とするか(施行者・器具の常備状況を含む)。
- 要確認:液体窒素凍結療法の実施可否・実施科。
- 要確認:園・学校からの「登園許可証」等の様式提出を求められた場合の当院としての標準対応文言。
- 要確認:当直・時間外での「水いぼで受診」への標準対応(原則翌診療日以降の外来紹介でよいか)。
7. 出典(日本のGL優先・URL+版年)
- [1] 日本小児皮膚科学会「Q&A:伝染性軟属腫(みずいぼ)」(日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会 統一見解 2010年11月/2013年5月) https://jspd.umin.jp/qa/01_mizuibo.html (改定で変わるため運用前に最新版確認)
- [2] 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解および統一見解に関する解説について」(2013年5月24日発表・2016年5月19日更新) https://www.dermatol.or.jp/public/publicnews/4296/
- [3] 公益社団法人日本小児科学会「伝染性軟属腫(水いぼ)」(一般の方向け予防・感染症情報) https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho03-41.html
- [4] マルホ株式会社 医療関係者向けサイト「皮膚科専門医に聞く!伝染性軟属腫治療の考え方」(日野治子医師インタビュー) https://www.maruho.co.jp/medical/articles/molluscumcontagiosum/specialist/index.html
- [5] マルホ株式会社 ペンレスインフォメーション「ペンレス開発秘話−伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和−」(2012年6月22日 効能・効果追加承認) https://www.maruho.co.jp/medical/penles_info/mizuibo/kaihatsu/
- [6] van der Wouden JC, et al. Interventions for cutaneous molluscum contagiosum. Cochrane Database of Systematic Reviews(要約: JMIR Dermatology 2023「From the Cochrane Library: Interventions for Cutaneous Molluscum Contagiosum」) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10335125/
- [7] Giant eyelid molluscum contagiosum as an indicator of underlying immunosuppression(HIV): case report and literature review, Cureus/PMC 2023 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10387225/ (免疫不全示唆所見の参考。国内小児での頻度は稀)
- [8] ペンレステープ18mg 電子添付文書(禁忌・使用してはいけない部位・重大な副作用・治験対象年齢・低出生体重児等の記載を2026-08-01に本文で直接確認。2023年4月改訂第1版/YJコード1214701S1051/承認番号22000AMX01557000)。PMDA医薬品医療機器情報提供ホームページ https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1214701S1051_1_09/ (フレーム構成のため機械的抽出不可・目視確認用)/全文参照はKEGG医薬品情報ミラー https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00055660 。効能追加承認日(2012年6月22日=平成24年6月22日)はPMDA「承認品目一覧(新医薬品:平成24年4月~平成25年3月)」No.45(ペンレステープ18mg/日東電工)で確認 https://www.pmda.go.jp/files/000160046.pdf
- [9] Riahi A, Shokravi MB. "Approach to Molluscum Contagiosum." PedsCases Podcast Script(2020年12月19日、UBC小児科・皮膚科医監修)https://pedscases.com/sites/default/files/Approach%20to%20Molluscum%20Contagiosum.pdf (陰部病変と性的虐待評価に関する国際的な小児科教育資料。国内の一次GLは未特定のため参考情報にとどめ、評価の実務は院内・地域の虐待対応体制に従う)
- 鑑別診断関連情報(Henderson-Paterson小体・生検適応の一般的記載。一次GL未特定のため運用前に皮膚科専門医の確認が望ましい)[要確認]
- 眼科関連情報(伝染性軟属腫の眼瞼病変に伴う濾胞性結膜炎・角膜症の一般的記載。一次GL未特定)[要確認]
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