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水いぼ(伝染性軟属腫)について
お子さんによくみられる、皮膚のぶつぶつです。多くは特別な検査をしなくても診察だけで診断でき、あわてず方針を決めていける病気です。順番に見ていきましょう。
これは何?
水いぼ(正式には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」)は、ウイルスが皮膚に感染してできる、小さな盛り上がったぶつぶつです。命に関わる病気ではなく、多くのお子さんに経験のある、ごくありふれた皮膚の感染症です。
肌と肌が直接触れ合うことや、タオル・浮き輪・ビート板など肌に触れるものの共用でうつることがあります。1〜7歳くらいのお子さんに多く、もともと肌が乾燥しやすいお子さんやアトピー性皮膚炎のあるお子さんでは、数が増えやすい傾向があります。
どんな病気か
- 典型的な水いぼ:光沢のあるドーム状の小さなぶつぶつで、真ん中がへこんでいるのが特徴です。体や手足、わきの下などにできやすいです。
- まわりに湿疹が出るタイプ:水いぼのまわりの皮膚が赤く湿疹のようになることがあります。もともと肌が敏感なお子さんに目立ちやすい状態です。
- 治りかけの時期:治っていく過程で、水いぼが赤く腫れて膿(うみ)のように見えることがあります。これは体の免疫が働いて自然に治っていくサインであることが多く、悪化しているわけではありません。ただし、本当に感染を起こしている場合と見分けが難しいこともあるため、心配なときは診察でご相談ください。
数が少ない場合、たくさんある場合、急に増えているように見える場合など、お子さんによって状態はさまざまです。数が非常に多い、急激に広がっている、治療してもなかなか変化がないといった場合には、体の他の状態もあわせて詳しく確認することがあります。
おうちでのケア・登園/登校の目安
- 水いぼは、多くの場合、何もしなくても自然に治っていきます。ただし治るまでの期間には個人差が大きく、早くて半年ほど、長いお子さんでは数年(4年ほど)かかることもあり、正確な予測は難しいです。
- 治療の選び方には大きく2つの考え方があります。①そのまま様子を見る、②ピンセットのような器具でひとつずつ取り除く(摘除)のどちらも医学的に妥当な選択で、現時点でどちらが優れているという明確な結論は出ていません。お子さんの数・広がり方・不安の強さなどを踏まえて、診察で一緒に相談しながら決めていきましょう。
- 摘除を選んだ場合、少し痛みを伴うことがあります。必要に応じて痛みをやわらげるテープを使うこともありますが、湿疹やかき傷のある部分には使えないことや、体質(アレルギーの既往など)によって使えないこともあります。使えるかどうか、どんな方法にするかは診察でご説明します。お薬を使う場合の内容・量は診察で決めますので、市販薬や他のお子さんのお薬を自己判断で使わないでください。ごく まれに、テープの使用中や使用後に全身のアレルギー反応が起こることがあるため、使用後はしばらく院内で様子をみます。帰宅後に息苦しさ・全身のじんましんなど普段と違う様子があれば、すぐにご連絡ください。
- 摘除したあとも、皮膚の中にすでに感染していた部分から、数週間から数か月後、まれには半年ほど経ってから新しい水いぼが出てくることがあります。これは治療が失敗したわけではなく、よくある経過です。何度か通院が必要になることもあります。
- 広がりを抑えるために、かきむしらないようにする(爪を短く切る、かゆみが強ければ相談する)ことと、肌の乾燥・湿疹があれば保湿をしっかり行うことが助けになります。
- ご自宅で水いぼを潰したり、爪でかいて取ろうとしたりするのは避けてください。まわりに広がったり、傷から別の感染を起こしたりすることがあります。
- 登園・登校の制限は基本的に必要ありません。プールも入って構いません(水を介してうつるものではないとされています)。ただし、タオル・浮き輪・ビート板など肌に直接触れるものの共用は避けてください。患部を覆う必要があるかどうかは、通っている園・学校・プール施設の方針に従ってください。
こんなときはすぐ受診してください
- 水いぼのまわりが急に強く赤くなる・腫れる・熱っぽい・膿(うみ)が出る、痛みがどんどん強くなる
- 熱を伴って急に水ぶくれのようなものが広がる、痛みがとても強い(いつもの水いぼの経過とは違う様子)
- 目のまわりに水いぼが広がり、目やに・充血・見えにくさなどの症状が出てきた
- 水いぼの数がとても多い、急激に増えている、治療してもなかなか良くならない
- もともと免疫に関わる治療を受けているお子さんで、急に新しい水いぼが増えた・広がった
- (痛みをやわらげるテープを使った場合)使用後に全身のじんましん・息苦しさ・ぐったりするなど、いつもと違う強い症状が出た
よくあるご質問
Q. プールに入ってもいいですか?
A. はい、入って構いません。水を介してうつるものではないとされています。ただし、タオル・浮き輪・ビート板など肌に直接触れるものの共用は避けましょう。
Q. きょうだいや他のお子さんにうつりますか?
A. 肌と肌が直接触れることや、タオルなどの共用でうつることがあります。強く神経質になる必要はありませんが、直接肌が触れる遊びやタオルの共用にはある程度気をつけるとよいでしょう。
Q. 治療せず様子を見ても大丈夫ですか?
A. 大丈夫なことが多いです。様子を見る方法と取り除く方法のどちらが優れているかは、はっきりとした結論が出ていません。「痛い思いをしてまで無理に取らなくてもよい」という考え方も専門医の間にあります。数や広がり方、お子さんの負担感を見ながら、診察で一緒に方針を決めましょう。
Q. 取ったのにまた増えました。取りきれていないのでしょうか?
A. 治療の失敗とは限りません。摘除の前後にすでに感染していた部分から、数週間〜数か月後、まれには半年ほど経ってから新しく出てくることがあります。心配なときは診察でご相談ください。
Q. 治りかけで赤く腫れてきました。悪化していますか?
A. 治っていく過程で赤く腫れて見えることがあり、これは免疫が働いているサインであることが多いです。ただし、強い痛み・熱感・膿(うみ)を伴う場合は、別の感染を起こしている可能性もあるため、上の「すぐ受診してほしいサイン」に当てはまらないか確認してください。
Q. 痛み止めのテープは必ず使ってもらえますか?
A. 状態によります。湿疹やかき傷のある部分、体質によっては使えないことがあります。使えない場合は、少しずつ数回に分けて摘除する、皮膚科と相談するなど別の方法をご案内します。