AIIKU PEDIATRICS

起立性調節障害について

「怠け」ではなく、体の中で起きている変化です

愛育病院 小児科

AMPL

これは何?

体の成長に、自律神経の発達が追いつかない状態です

  • OD(起立性調節障害)は、横になった状態から立ち上がったときに血圧・心拍を調整するしくみ(自律神経)がうまく働かず、立ちくらみやだるさなどの症状が出る状態
  • 小学校高学年から中学生ごろ、体が急速に大きくなる時期に多くみられる。体の成長のスピードに自律神経の発達が追いつかないことが背景にあると考えられており、珍しい病気ではなく、この年代のお子さんに広くみられる体の変化のひとつ
  • 代表的な症状: 立ちくらみ・めまい、朝なかなか起きられず午前中調子が悪い、動悸や息切れ、顔色が悪い、頭痛、腹痛、倦怠感、乗り物酔いしやすい。症状は午前中に強く出て、午後から夕方にかけて楽になる傾向がある
  • 「怠け」「サボり」ではなく、体の中の血圧・心拍の調整がうまくいっていない、れっきとした体の症状。この誤解自体がお子さんを追い詰めてしまうことがあるため、まず「怠けではない」という前提で見守ることが回復への大切な一歩
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診断のながれ

まずは、ほかの病気が隠れていないかを確認します

  • 問診・診察: 症状のチェックリストをもとにお話をうかがい、貧血や甲状腺の病気、不整脈など、ほかの病気が隠れていないかをあわせて確認する
  • 新起立試験: 午前中の診察で、しばらく横になって休んだあと、立ち上がったときの血圧・心拍の変化を測定する検査(痛みはない)。立ったときの体の反応のしかたによって、いくつかのタイプに分けられる
  • 心の面の評価: ODと診断されるお子さんの多くは、学校生活のストレスなど心理的な要因もかかわっている。体の面と心の面の両方をあわせて診ていくのが基本的な考え方
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おうちでのケア

まずは生活の工夫から。これだけで改善するお子さんも少なくありません

  • 立ち上がり方: 急に立ち上がらず、いったん頭を下げてから30秒くらいかけてゆっくり起立する
  • 水分・塩分: 水分は1日1.5〜2Lを目安にこまめにとる。塩分はふだんの食事より少し多め(小さじ半分=食塩3g程度を目安に追加)を心がける。持病で水分・塩分制限がある場合は量を必ず主治医に確認する
  • 体を動かす: 毎日30分ほどの歩行など軽い運動を続ける。つらいからと寝てばかりになると、かえって体力が落ち、症状が長引きやすくなる
  • 生活リズム: 睡眠のリズムを整えることは大切だが、無理強いはせず、お子さんのペースに合わせて少しずつ調整する。下半身に血液がたまりにくくする工夫(弾性ストッキングなど)をすすめることもある
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学校との付き合い方・回復の見通し

あわてなくて大丈夫。段階を踏んで、少しずつ戻っていきます

  • 「これができたら登校可」という一律の基準はない。無理に一気に全日登校を目指すのではなく、遅刻・保健室登校・時間を短縮しての登校など、体調に見合った形で段階的に戻していくことを学校とも相談しながら進める
  • 回復までの時間には個人差がある。学校を長く休んでいる場合は時間がかかることもあるが、あわてず治療を続けることで、高校卒業をむかえるころには多くのお子さん(およそ9割)が日常生活に支障のない状態まで回復するといわれている
  • 生活の工夫だけでは十分に改善しない場合、体質や症状の程度に応じてお薬を検討することがある。気分の落ち込みなど心の面のサポートが必要なときも、始めたあとの様子の変化を含めて丁寧に経過をみながら進める。お薬は診察で決めます(この資料には個別の投与量は記載しない)
  • 喘息(ぜんそく)の診断歴・治療中の方は必ず伝える。脈が速いタイプの症状に使うお薬の中には、喘息のあるお子さんには向かないものがあり、選び方が変わる
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受診サイン

こんなときはすぐ受診してください

EMERGENCY

今すぐ119番・救急車

  • 意識を失って倒れた(失神した)、そのときに頭を打った
  • 胸の痛みや動悸を伴う失神、運動している最中の失神
  • これまでに経験したことがないような激しい頭痛、だんだん強くなる頭痛、吐き気やしびれ・力の入りにくさを伴う頭痛
  • 失神の前後にけいれんのような体の動きがあった、意識がなかなか戻らない
  • 「死にたい」という言葉が出る、自分の体を傷つけるような行動がある
URGENT CARE

すぐに相談・受診

  • 元気がない状態や、気分の落ち込みが強い状態が続いている
  • ご家族に不整脈や、原因のわからない突然死の既往がある場合は事前に医師にお伝えください
  • 原因のわからない体重の減少、食欲不振が続いている
  • 体重や体型を強く気にして食事を制限している
  • 発熱・関節の痛み・体のあちこちのリンパ節の腫れ・発疹が続いている
  • 動悸・発汗の多さ・便通の変化・首まわりの腫れなど、いつもと違う体の変化が続いている
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FAQ(よくあるご質問)

心配になりやすいこと

Q. 本当に病気なのですか?「気の持ちよう」ではないのでしょうか。 → A. ODは、自律神経が血圧・心拍をうまく調整できていない、体に実際に起きている状態。「気の持ちよう」で片付けず、まずは体の状態として受け止めることがお子さんの安心にもつながる

Q. どれくらいで良くなりますか? → A. 生活の工夫を続けることで、数か月ほどで楽になっていくお子さんが多い。症状が強く学校を長く休んでいる場合はもう少し時間がかかることもあるが、高校卒業をむかえるころにはおよそ9割のお子さんが日常生活に支障のない状態まで回復するといわれている

Q. 学校はどうしたらいいですか? → A. 無理にいつも通りの登校を最初のゴールにする必要はない。遅刻や保健室登校、時間を短縮しての登校など、体調に合わせた形を学校の先生とも相談しながら少しずつ広げていくのがおすすめ

Q. ぜんそくがあります。治療に影響しますか? → A. 影響することがある。脈が速いタイプの症状にはぜんそくのあるお子さんに向かないお薬もあるため、喘息の診断歴や治療中であることを診察時に必ず教えてほしい。お子さんに合ったお薬を選ぶ大切な判断材料になる

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気になることは、遠慮なく主治医に。

この資料は一般的な説明です。お子さんごとに判断は変わります。