お子さんの鼻血は、小児科の外来でとてもよくみられる症状です。ほとんどは鼻の入り口に近い場所からの少量の出血で、正しく圧迫すれば数分〜15分ほどで止まります。ここでは、鼻血が出たときの正しい対処法と、受診の目安をまとめました。
子どもの鼻血の多くは、鼻の中でも入り口に近い「キーゼルバッハ部位」という場所からの出血です。この部分は細い血管が網の目のように集まっていて粘膜の表面近くにあるため、鼻をこすったり、乾燥したり、ちょっとぶつけたりするだけでも出血しやすくなっています。
幼児期〜学童期の低学年に多くみられ、5歳までに少なくとも3割ほどのお子さんが経験するとされるほど、ありふれた症状です。多くは1回きり、または時々繰り返す程度で、正しく圧迫すれば自然に止まります。
ほとんどは心配のいらない出血です
鼻血そのものは、正しい方法で圧迫すればほとんどの場合しっかり止まります。量が多く見えても、実際に体から失われる量はごくわずかなことがほとんどです。落ち着いて対処していただければ大丈夫です。
鼻血には、出血する場所や頻度によっていくつかのタイプがあります。
診察では、出血の様子や頻度、他に気になる症状がないかをうかがいながら、圧迫だけで様子を見てよいか、追加の検査や治療が必要かを判断します。
鼻血が出たときの正しい止め方
止まったあとの注意
お薬は診察で決めます
止血がうまくいかないときに使う薬(血管を収縮させる薬など)や、繰り返す出血への内服薬が検討されることがありますが、使うかどうか・どのくらいの量にするかは、そのつど医師が診察で判断します。この資料には一般的な考え方のみを記載し、個別の量は記していません。ご不明な点は診察時に遠慮なくお尋ねください。
Q. 鼻血が出たら、まず何をすればいいですか?
A. 座らせて少し下を向かせ、小鼻をしっかりつまんで10〜15分、途中でゆるめずに圧迫し続けてください。のどに流れた血は飲み込ませず、吐き出させましょう。
Q. 上を向かせたり、首の後ろをトントンたたいたりした方がいいですか?
A. どちらも効果的な方法としては勧められていません。上を向かせると血がのどに流れ込み、むせたり気持ち悪くなったりする原因になります。座って少し下を向き、小鼻をつまむ方法が基本です。
Q. 鼻血を繰り返すのは、何か病気のサインでしょうか?
A. 幼児期〜学童期のお子さんが時々鼻血を繰り返すこと自体は、乾燥や鼻いじり、アレルギー性鼻炎など身近な要因によることが多く、多くの場合は心配のいらないものです。ただし、他の出血(歯ぐき・あざなど)を伴う、量が多い、片方だけからにおいのある鼻水が続くといった様子があるときは、念のため詳しく確認しますので受診してください。
Q. いつから普段の生活に戻していいですか?
A. 感染する病気ではないため、止血していれば当日から登園・登校して問題ありません。ただし止血した当日は、強く鼻をかむ・鼻をいじる・熱いお風呂・激しい運動は再出血のもとになるので控えてください。
Q. 鼻血を止める薬や、繰り返さないための薬はありますか?
A. 止血が難しいときに使う薬や、繰り返す出血に対する薬が検討されることはありますが、必要かどうか・量は診察で医師が個別に判断します。まずは正しい圧迫止血と、乾燥・鼻いじり対策などおうちでのケアが基本になります。
Q. 何科を受診すればいいですか?
A. まずは小児科で大丈夫です。出血点の確認や特別な処置が必要な場合は、耳鼻咽喉科と連携して診療します。