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脱水と水分補給(経口補水・点滴)について

吐いたり下痢が続いたりすると、体の水分と塩分が足りなくなることがあります。ほとんどの場合は、おうちで少しずつ飲ませる方法(経口補水)で回復できます。この資料では、その考え方とおうちでのケアの仕方をご説明します。

これは何?

体は水分と塩分(電解質)のバランスで保たれています。嘔吐や下痢が続くと、飲んだり食べたりする量より失う量の方が多くなり、このバランスが崩れて「脱水」という状態になります。

脱水を治す方法には大きく2つあります。ひとつは口から少しずつ水分を飲む「経口補水」、もうひとつは血管から直接水分を入れる「点滴」です。

多くのお子さんは、口から飲む方法(経口補水)だけで十分に回復します。点滴は血管に針を刺す負担があるため、まずは飲む方法を試すのが基本の考え方です。

なぜ必要?(脱水の程度の見方)

脱水がひどくなると、体の中で大切な働きをしている水分・塩分のやり取りがうまくいかなくなり、ぐったりしたり、まれに命に関わる状態になったりすることがあります。だからこそ、早めに水分を補うことが大切です。

脱水の程度は、体重の減り方や体の様子から総合的に判断します。ひとつの症状だけで決めるのではなく、いくつかのサインを組み合わせて診察で見極めます。

目安よくあるサイン
ごく軽い〜脱水なしのどが渇く程度で、元気はある
軽い〜中くらいの脱水口の中が乾く、いつもより元気がない、おしっこの回数が減る、脈が少し速い
重い脱水ぐったりして反応が鈍い、手足が冷たい、脈が速い、おしっこがほとんど出ない

脱水の進み方は年齢によって違いがあり、特に赤ちゃんは体に対する水分の割合が高いぶん、大人や年長のお子さんより早く・強く症状が出ることがあります。同じように見えても年齢によって注意すべき度合いが変わるため、「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、心配なときは診察でご相談ください。

軽い〜中くらいの脱水では、経口補水液での水分補給が第一に選ばれます。重い脱水が疑われるときや、飲んでもすぐに吐いてしまって水分が入っていかないときには、点滴が必要になります。どちらに当てはまるかは、診察でお子さんの状態を直接拝見して判断します。

流れ・おうちでのケア

基本の流れは、①おうちで経口補水を試す ②数時間おきに様子を見る ③改善していれば普段の食事・水分へ戻す、うまくいかなければ受診して点滴も含めて相談する、という順番です。

数時間ほど続けたら、お子さんの様子(元気さ、おしっこの回数、口の中の潤いなど)を見てあげてください。落ち着いてきたら、普段の食事や水分に戻して構いません。うまく飲めない・吐き続ける・かえって元気がなくなるようなら、点滴が必要かどうかを診察で相談してください。お薬(吐き気止めなど)を使うかどうかは、診察でお子さんの状態を見て決めます。

こんなときはすぐ受診してください

生後1か月未満の赤ちゃんは、脱水のサインが分かりにくいことがあります。ミルクの飲みが悪い、いつもと様子が違うと感じたら、上のサインに当てはまらなくても早めにご連絡ください。

これらのサインがあるときは、経口補水を試している途中でも、様子を見続けずにご連絡・受診をお願いします。

よくあるご質問

Q. 点滴をした方が早く良くなりますか?

A. 軽い〜中くらいの脱水では、経口補水と点滴の効果はほぼ同じと考えられています。血管に針を刺す負担を避けられる分、まずは飲む方法から試すのが基本です。もちろん、必要な場合には点滴を行います。

Q. 家にあるスポーツドリンクではだめですか?

A. スポーツドリンクは糖分が多く塩分(ナトリウム)が少ないため、経口補水液の代わりにはなりません。薬局で買える経口補水液を使ってください。

Q. 吐いてしまったら、もう飲ませない方がいいですか?

A. 1回吐いたからといって中止する必要はありません。5〜10分休んでから、また少量から再開すれば、多くの場合は続けられます。

Q. 母乳やミルクはやめた方がいいですか?

A. いいえ、やめる必要はありません。普段どおり続けながら、経口補水液を並行して与えてください。

Q. 吐き気止めのお薬を使ってもらえますか?

A. お薬は診察で決めます。使うかどうか、どのお薬にするかはお子さんの状態を見て判断しますので、ご希望があれば診察のときにご相談ください。

Q. うちの子はまだ生後1か月未満です。同じように様子を見ていいですか?

A. 生まれたばかりの赤ちゃんは体調の変化が急に進むことがあります。少しでも心配な様子があれば、様子を見続けずに早めにご連絡ください。

Q. どのくらいで良くなりますか?

A. お子さんや原因によって差がありますが、経口補水がうまくいけば数時間の単位で状態は落ち着いてくることが多いです。改善が見られない、悪化するときは点滴も含めて診察で相談してください。

この資料は一般的な説明です。お子さんごとに判断は変わります。気になることは遠慮なく主治医におたずねください。
※この情報は一般的な教育目的です。個別の診断・治療の代わりにはなりません。/AMPL