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胃腸炎と脱水について
吐いたり下したりする胃腸炎の多くは、数日で自然によくなる病気です。おうちでの水分の摂り方と、注意して見てほしいサインをまとめました。
回数だけでなく、水分・おしっこ・反応を見ていきます。
これは何?
お子さんが吐いたり下痢をしたりするとき、そのほとんどは「ウイルス性胃腸炎」と呼ばれるものです。ノロウイルスやロタウイルスなど、おなかのかぜのようなウイルスが原因で、特別な薬でやっつけるというより、体が自分の力で治していく病気です。
心配なのはウイルスそのものより、吐いたり下したりすることで体の中の水分が減ってしまうこと(脱水)です。今日の診察では、その脱水の程度を確認しています。
脱水ってどんな状態?
脱水とは、体の中の水分や塩分が足りなくなった状態のことです。程度は軽いものから重いものまであり、次のような様子で見分けます。
- 元気があるか、ぐったりしていないか
- 口の中や唇が乾いていないか
- 泣いたときに涙が出るか
- おしっこの量や回数が減っていないか
赤ちゃんや小さなお子さんは体の中の水分の割合が大人より高く、また体重も軽いため、大人よりも早く脱水が進みやすい特徴があります。診察では体重の減り方も参考にしながら判断します。
少量を飲めるか、口の乾きや反応はどうか、おしっこが出ているかを確認します。
おうちでのケア
ごく少量から始め、時間を分けて繰り返します。飲めたら、様子を見ながら少しずつ増やします。
- 水分は少しずつ、こまめに。薬局で買える経口補水液(OS-1など)がおすすめです。スプーン1杯くらいの少量から始めて、吐かずに飲めるようなら少しずつ量を増やしていきます。
- 吐き気が強いときは、5mL(スプーン1杯弱)程度から5分おきくらいに少しずつ試し、吐かずに続けられるようなら間隔をあけて量を増やしていくと、うまく続けやすくなります。
- スポーツドリンクは糖分が多く塩分バランスが胃腸炎の治療には合わないため、できれば経口補水液を選んでください。
- 母乳やミルクは、下痢が続いていてもいつも通り続けて大丈夫です。薄める必要はありません。
- 吐き気や下痢が落ち着いてきたら、無理のない範囲でいつも通りの食事を再開してかまいません。特別な食事制限は基本的に必要ありません。
- 整腸剤など、症状をやわらげるお薬が合うこともあります。お薬は診察で決めます。
- 市販の下痢止め(ロペラミドなど)は使わないでください。特に血が混じる下痢のときは、体に悪い菌の排出を妨げて、かえって重い合併症のリスクを高めることがあります。
こんなときはすぐ受診してください
- 吐いたものが緑色や黄色っぽい、勢いよく噴き出すように吐く
- 吐いたものに血が混じっている
- 火がついたように激しく泣くことを数十分おきに繰り返す、いちごジャムのような血便が出た
- お腹を痛がって触らせない、お腹が硬く張っている
- 半日以上おしっこが出ていない、ぐったりして呼びかけへの反応が鈍い
- 水分をまったく受け付けない、少しずつの水分補給も続けられない
- 便に血や強い粘液が混じる
- 38℃以上の熱が2日以上続く、または一度良くなりかけてから再び悪化する
- おしっこや飲む水の量がやたらと多いのにぐったりしている、呼吸が速く荒い、甘酸っぱいようなにおいの息、意識がぼんやりしている → ためらわず救急車(119番)を呼んでください
- 下痢を伴わずに吐き続ける、ひどく頭を痛がる、首が硬い、機嫌が普段と違いすぎるほど悪い
- 男の子で、急に陰のう(いんのう)が腫れる・痛がる様子がある
- けいれんを起こした、意識がはっきりしない → ためらわず救急車(119番)を呼んでください
上記で救急車(119番)をご案内している項目以外のサインがあるときも、様子を見続けずにご連絡・受診をお願いします。
よくあるご質問
Q. スポーツドリンクではダメですか?
A. スポーツドリンクは糖分が多く、塩分のバランスも脱水の治療向きではありません。薬局で買える経口補水液(OS-1など)のほうが体に吸収されやすく作られています。
Q. 下痢のときはミルクを薄めたほうがいいですか?
A. 薄める必要はありません。母乳もミルクも、いつも通りの濃さで続けて大丈夫です。
Q. 吐き気止めのお薬はもらえますか?
A. 吐き気止めは効果がはっきりしないことも多く、お子さんによっては注意が必要な副作用もあるお薬です。使うかどうかは診察で判断します。お薬は診察で決めます。
Q. 抗生物質(抗菌薬)は使わなくて大丈夫ですか?
A. ほとんどの胃腸炎はウイルスが原因のため、抗生物質は効きません。細菌が原因の場合でも自然に良くなることが多く、必要と判断したときだけ使用します。
Q. 保育園や学校はいつから行けますか?
A. 目安は、嘔吐・下痢が治まり、食事や水分がいつも通り摂れるようになってからです。園や学校ごとの登園・登校のルールもあわせてご確認ください。
Q. きょうだいにうつさないためにできることは?
A. 手洗い、タオルを分けること、吐いたものやおむつの後始末をていねいにすることで広がりを抑えられますが、完全に防げるわけではありません。