生まれてまだ日の浅い赤ちゃんが熱を出すと、それだけでとても不安になると思います。この時期は「機嫌がよいから大丈夫」という、もう少し大きいお子さんで使える目安がそのまま使えない時期です。なぜ特別な注意が必要なのか、おうちでできること、すぐに受診してほしいサインを一緒に確認しましょう。
この資料は、生後3か月未満(0〜89日くらい)の赤ちゃんが発熱したときに、なぜこの時期は特に注意が必要なのか、おうちでできること、そしてすぐに受診してほしいサインをまとめたものです。
3か月を過ぎたお子さんの発熱については、別の資料「こどもの発熱について」をご覧ください。この資料は、生まれてまだ日が浅く、体の防御のしくみが育っている途中の赤ちゃんに絞った内容です。
この時期の赤ちゃんは、たとえ機嫌がよく見えても、体の中で重い感染症が進んでいることがあります。「元気そうだから大丈夫」といういつもの判断のものさしが、そのままでは使えない時期だと、まず知っておいてください。
熱は、体が何かと戦っているサインです。3か月を過ぎたお子さんであれば、発熱の多くはウイルス感染によるもので自然に良くなりますが、生後3か月未満では少し事情が異なります。
この時期に熱が出た赤ちゃんのうち、実際に重い細菌感染症(血液・尿路・髄液などの感染)が見つかるのは、全体のおよそ1〜1.5割程度です。多くはありませんが、見た目や機嫌のよさだけで「残りの8〜9割かどうか」を安全に見分ける方法は、今のところ確立されていません。そのため、念のための検査を広めに行うのが、世界的にも標準的な対応になっています。
| 目安の月齢 | 対応の考え方 |
|---|---|
| 生後7日くらいまで | 特に体調が変わりやすい時期です。念のため、より慎重に、入院してじっくり経過をみる対応がとられることが多い時期です。 |
| 生後8日〜1か月ごろ | 見た目が良くても、血液・尿、場合によっては髄液の検査まで行い、結果を待たずに念のための治療を始めることがほとんどです。 |
| 生後1〜2か月ごろ | 検査は同様に行いますが、結果に問題がなければ、決まった時間内に必ず再受診することを条件に、自宅で様子をみられる場合もあります。 |
また、この時期は熱が上がらず、逆に体温が低くなって感染症のサインが現れることがあります。「熱がないから大丈夫」ではなく、いつもよりはっきり体温が低いことも、心配なサインの一つです。
診察の結果、血液検査・尿検査、場合によっては背中から少量の体液をとる検査(髄液検査)をおすすめすることがあります。結果が出るまでに時間がかかるため、結果を待たずに念のための抗菌薬による治療を始めることも珍しくありません。これは、もし重い感染症だった場合に治療が遅れないようにするための、一般的な対応です。
この資料は「おうちで様子を見るため」の資料ではありません。体温38.0℃以上、または体温がいつもよりはっきり低いことに気づいたら、様子を見続けずに小児科(診療時間内はAMPL、夜間・休日はかかりつけ医または救急)にご連絡・受診をお願いします。
登園・登校の目安:この時期の赤ちゃんは、まだ保育園などの集団生活を始めていないことがほとんどです。集団生活を再開できる時期は、原因となった病気が分かったあとに、その病気ごとの基準に沿って個別にお伝えします。
上記に一つでも当てはまれば、様子を見続けずにご連絡・受診をお願いします。夜間・休日でも構いません。生後3か月未満は、来院を先延ばしにしないことがいちばん大切な時期です。
Q. 熱はありますが、機嫌はいいです。それでも受診は必要ですか?
A. はい。生後3か月未満は、機嫌がよく見えても検査が必要になることがほとんどの時期です。「元気そうだから様子を見る」という判断は、この月齢では基本的におすすめできません。
Q. 体温計の測り方によって数値が違います。どこで測ればいいですか?
A. 測る場所によって体温は変わります(一般に脇の下は実際より低く出やすいとされています)。医療機関から測り方の案内がある場合はそれに従い、測った時刻・方法・数値をメモして受診時にお伝えください。数値の判断に迷うときは、測り方にかかわらずご連絡ください。
Q. 受診したら必ず入院になりますか?
A. 月齢や検査の結果によります。生後1か月くらいまでは、検査結果を待たずに入院して治療を始めることが多い時期です。もう少し月齢が上がると、検査結果に問題がなければ、決まった時間内に必ず再受診することを条件に、自宅で様子をみられる場合もあります。
Q. 採血や、背中の検査(髄液検査)は必ず行うのですか?
A. 月齢と赤ちゃんの状態によります。特に生後1か月未満は、見た目の良さにかかわらず、血液・尿に加えて髄液の検査まで行うのが標準的な対応です。もう少し月齢が上がると、他の検査結果次第で必要かどうかを判断します。ご不安な点は診察の中で遠慮なくおたずねください。
Q. 熱がある間、母乳やミルクはいつも通りでいいですか?
A. はい。飲めるようであれば、いつも通り与えて構いません。飲む量や回数がいつもよりはっきり減っている場合は、受診の目安の一つとしてお伝えください。
Q. 解熱剤を使ってもいいですか?
A. お薬は診察で決めます。この月齢の赤ちゃんに解熱剤を使うかどうかも、医師の判断が必要です。ご家庭にある坐薬やシロップを自己判断で使わないでください。
Q. きょうだいが風邪をひいていました。関係ありますか?
A. 関係している可能性はありますが、この月齢では「きょうだいの風邪がうつっただけ」と自己判断せず、必ず受診して赤ちゃん自身の状態を診てもらってください。