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便(うんち)の検査について
検査の目的とおうちでの過ごし方がわかると、落ち着いて経過を見ていただけます。
これは何?
お子さんに嘔吐や下痢があるとき、原因を調べるために「便(うんち)の検査」をお願いすることがあります。目的によっていくつか種類があります。
- ウイルスの検査(迅速抗原検査):ロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなど、胃腸炎の原因になりやすいウイルスがいないかを調べます。便をごく少量、綿棒でとって15〜20分ほどで結果がわかります。
- 便培養検査:便の中に治療が必要な細菌がいないかを、数日かけて詳しく調べる検査です。
- 便潜血検査:目では見えないくらい少ない血液が便に混じっていないかを調べる検査です。
- CDトキシン検査:抗菌薬(抗生物質)を使った後に起こることがある特殊な下痢の原因を調べる検査です。
なぜ必要/何がわかるの?
胃腸炎の多くはウイルスが原因で、検査で「ロタウイルスでした」とわかっても、治療の中心は「水分をしっかり摂って様子を見ること」で変わりません。そのため、嘔吐・下痢はあるけれど元気があるお子さんには、ウイルス検査をルーチンでは行いません。
検査を検討する場面の例
- 高い熱が続く、お腹をひどく痛がる、血が混じった便が出る、など細菌感染を疑う症状があるとき(便培養)
- 入院が必要かどうかや、まわりのお子さんへの感染対策を判断する材料が必要なとき(迅速抗原検査)
- 血が出ていないのに貧血や体重の増えが悪い、下痢が長く続くとき(便潜血検査)
- 抗菌薬を使った後に、いつもと違う特徴の下痢が続くとき(CDトキシン検査。2歳以上が対象です)
なお、健康なお子さんのウイルス検査は保険の対象外になり自費検査となる場合があります。「保育園から登園許可のために検査してほしいと言われた」というご希望であっても、症状が軽い場合は検査で登園の可否を決めるものではありません。登園の目安は園ごとに確認をお願いしています。
当日の受け方とおうちでのケア
検査の受け方:便をごく少量、綿棒や専用の容器で採らせていただきます。痛みを伴う検査ではありません。ウイルス検査はその日のうちに、便培養検査は結果が出るまで数日かかります。
おうちでのケア
- 水分(経口補水液など)を、少量ずつこまめに与えてください。一気に飲ませるとかえって吐いてしまうことがあります。
- 食事は無理に摂らせなくて大丈夫です。食べられるものを、食べられる量だけで構いません。
- 下痢止めのお薬は自己判断で使わないでください。血が混じった便が出ているときはもちろん、小さな乳幼児では血便がなくても、かえって回復を遅らせたり体に負担をかけたりすることがあります。お薬は診察で決めます。
- 登園・登校の目安は検査結果ではなく、嘔吐・下痢の回数や元気さで判断することが多いです。園や学校の規定は各施設にご確認ください。
こんなときはすぐ受診してください
今すぐ救急車を呼ぶ・119番通報してください
- ぐったりして意識がはっきりしない、けいれんを起こした
すぐに受診してください
- 便に血が混じっている(赤い血や、いちごジャムのような血液の混じった便)
- 赤ちゃんが火がついたように激しく泣いてぐったりする、を繰り返す(嘔吐を伴うことが多い)→ 腸重積という病気の可能性があり、様子を見ずすぐに受診してください
- 吐いたものの色が緑色や黄色っぽく変わった → 腸がねじれてしまう病気(腸回転異常症など)の可能性があり、様子を見ずすぐに受診してください
- お腹の痛みや血が混じった便に加えて、脚に赤紫色のポツポツ(紫斑)が出てきた、関節を痛がる → 学童期のお子さんにときどきみられる病気(IgA血管炎)のことがあります。皮疹より先にお腹の症状だけが出ることもあるので、あわせて相談してください
- 半日以上おしっこが出ていない、唇や口の中がカラカラに乾いている、ぐったりして呼びかけへの反応が弱い(脱水のサイン)
- 高い熱が続く、お腹をひどく痛がる
- お腹を痛がって触らせない、お腹が板のように硬く張っている → 虫垂炎などお腹の中の炎症を疑う所見です。様子を見ずすぐに受診してください
- 結果を待っている間に症状が急に強くなった
よくあるご質問
Q. ウイルス検査は毎回したほうが安心ではないですか?
A. 検査をしてもしなくても、多くの場合は水分をしっかり摂って様子を見るという対応自体は変わりません。必要な場面に絞って行うのが今の標準的な考え方です。
Q. 結果が出るまで、保育園は休ませたほうがいいですか?
A. 登園の可否は検査結果よりも、嘔吐・下痢が落ち着いているか、食欲や元気さが戻っているかで判断されることが多いです。園ごとに独自の基準がある場合もあるので、施設にご確認ください。
Q. 便培養で細菌が見つかったら、必ず抗菌薬(抗生物質)を使いますか?
A. 見つかった細菌の種類や症状の重さによります。軽い場合は抗菌薬を使わず、水分補給と経過観察で回復を待つこともあります。お薬は診察で決めます。
Q. 下痢止めのお薬をあげてもいいですか?
A. 血が混じった便が出ているときや、小さいお子さんには自己判断での使用はおすすめしません。下痢は体の中の悪いものを外に出そうとする働きでもあるため、無理に止めるとかえって回復が遅れることがあります。必要かどうかは診察で判断します。
Q. 便潜血検査で血が出ていると言われたら、重い病気でしょうか?
A. 目に見えない血液が見つかった場合、この検査結果だけでは重い病気かどうかを判断することはできません。原因はさまざまで、炎症性の病気が隠れていることもあるため、原因を確かめる追加の検査や経過観察をお願いすることがあります。逆に、この検査で血液が見つからなかった場合でも、下痢が長く続く・体重の増えが悪いといった症状があるときは、それだけで病気の心配がないとは言い切れません。気になる症状が続くときは引き続きご相談ください。