急な高熱でびっくりされたと思います。インフルエンザは冬を中心によくみられる感染症で、多くのお子さんは1週間ほどで元気になります。おうちでの過ごし方と、すぐ受診してほしいサインをまとめました。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症です。ふつうのかぜと違って、熱が急に上がる、38〜39℃台以上の高熱が出る、体の節々や頭が痛い、といった症状が特徴です。せき・のどの痛み・鼻水をともなうこともよくあります。
飛沫(せきやくしゃみのしぶき)や、ウイルスがついた手で目や鼻・口をさわることでうつります。流行している時期は、保育園・学校・ご家庭の中で広がりやすい病気です。
多くのお子さんは、おうちでの安静と水分補給で自然に良くなっていきます。ごくまれに、脳症や肺炎など重い合併症につながることがあるため、見逃したくないサインをこの資料の後半にまとめています。心配しすぎず、でもサインだけは覚えておいてください。
診断は、症状の様子と、鼻の奥をぬぐう迅速抗原検査を組み合わせて行います。この検査は、熱が出てから12〜48時間くらいの時期がいちばん正確に出やすく、熱が出てすぐ(発症から数時間以内)に検査すると、実際にかかっていても「陰性」と出てしまうことがあります。そのため、症状や周りの流行状況から、検査が陰性でも臨床的にインフルエンザと判断して治療を進めることがあります。
治療では、ウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬(飲み薬・吸入薬・点滴などいくつか種類があります)を使うことがあります。ただし、すべてのお子さんに必ず必要というわけではなく、年齢・重症度・持病の有無などをふまえて、使うかどうか・どの種類を使うかを診察で判断します。お薬の種類や量は診察で決めます。
診察の際は、次のことを教えてください。牛乳・乳製品のアレルギーがあるか、ぜんそく(気管支ぜんそく)があるか、他に治療中の病気があるか——これらによって使えるお薬の種類が変わることがあります。
熱やつらさをやわらげる解熱薬は、アセトアミノフェンを使ってください。ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸・アスピリンといった解熱薬は、インフルエンザにかかっている(疑いも含む)お子さんには使わないでください。重い脳の合併症との関連が指摘されており、市販薬を使う場合も薬の説明書をよく確認するか、薬剤師・医師にご確認ください。
発熱から少なくとも2日間は、お子さんを一人にしないでください。インフルエンザにかかっているお子さんは、抗インフルエンザ薬を使った・使わないにかかわらず、突然走り出す・部屋やベランダから飛び出そうとする、といった予測しにくい行動をとることがまれにあります。窓や玄関の施錠を確認し、できればベランダに面していない部屋・1階のお部屋で休ませ、寝ている間もそばで見守ってあげてください。
登園・登校の目安:発症した日を0日目として数え、そこから5日が経過し、かつ熱が下がった日を0日目として2日(幼児は3日)が経過するまではお休みします。両方の条件を満たす必要があるため、熱が早く下がっても発症から5日は登園・登校できません。実際の登園・登校の再開日は、保育園・学校からの案内や意見書の様式にあわせてご相談ください。
これらのサインがあるときは、様子を見続けずにご連絡・受診をお願いします。夜間・休日でも構いません。意識がおかしい・けいれんが止まらないときは、迷わず救急要請(119番)をしてください。
Q. 検査で「陰性」でした。インフルエンザではないということですか?
A. そうとは限りません。熱が出てすぐの検査は、実際にかかっていても陰性に出やすい性質があります。症状の様子や周りの流行状況から、検査が陰性でも臨床的にインフルエンザと判断し、治療方針を決めることがあります。
Q. 抗インフルエンザ薬は必ず使うのですか?
A. いいえ、全員に必ず必要というわけではありません。軽症で元気があるお子さんでは、使わずに経過を見る選択肢もあります。年齢・重症度・持病の有無をふまえて診察で判断します。
Q. お薬を使うと早く治りますか?
A. 使うと発熱の期間が1〜2日ほど短くなることが多いとされていますが、使わなくても多くのお子さんは自然に良くなっていきます。お薬の種類や量は診察で決めます。
Q. 「変な行動をした」と聞いたことがあります。お薬のせいですか?
A. お薬を使った・使わないにかかわらず、インフルエンザにかかっているお子さんに起こりうるとされています。だからこそ、発熱から少なくとも2日間は、お薬の有無にかかわらずそばで見守ってあげることが大切です。
Q. まだ小さい赤ちゃん(生後6か月未満)ですが、特に気をつけることはありますか?
A. はい。小さい赤ちゃんは体調が急に変わりやすいため、ミルクや母乳の飲みが悪い、いつもよりぐったりしている、顔色が悪いなど、少しの変化でも早めにご連絡ください。上に挙げたサインより軽い段階でのご相談で構いません。
Q. 保育園・学校はいつから行けますか?
A. 発症した日から5日が経過し、かつ熱が下がった日から2日(幼児は3日)が経過するまでは、原則としてお休みします。両方の条件を満たす必要があります。詳しい起算方法や書類は、保育園・学校の案内にあわせてご確認ください。
Q. きょうだいがいます。うつさないためにできることはありますか?
A. こまめな手洗い、せきやくしゃみをする際に口や鼻をおおうこと、タオルの共用を避けること、お部屋の換気などが基本になります。可能であれば、体調が落ち着くまで寝室を分けるのもひとつの方法です。