どの検査を、いつ行うかには理由があります。仕組みと限界を知っておくと、結果の受け止め方が変わります。
のどや鼻、ときに目の粘膜を、やわらかい綿棒で数秒こすって検体を採り、その場でウイルスや細菌の「かけら」があるかどうかを調べる簡易検査です。結果は10〜15分ほどでわかります。
症状や年齢、そのときの流行状況に応じて、必要な検査だけを選んで行います。たとえば3歳未満のお子さんは、そもそも溶連菌によるのどの炎症になること自体が少ないため、典型的なかぜ症状だけであれば検査をしないことがよくあります。念のためにすべての検査を一度に行うことはしません。
検査の結果によって、お薬の要否や登園・登校のめやす、ご家族への注意点といった方針が変わります。ただし、どの検査にも得意・不得意があることを知っておいていただくと、結果の受け止め方が変わります。
「陰性」=感染していない、とは言い切れません
発症してすぐの時期は、体の中のウイルスや細菌の量がまだ少なく、検査で「かけら」を十分に捕まえられないことがあります(偽陰性)。特にインフルエンザは、発症から半日ほどのうちは検査で見つかりにくい傾向があることがわかっています。症状の経過を見ながら、必要であれば時間をおいて再検査したり、検査結果だけに頼らず症状から総合的に判断することもあります。
反対に、症状がほとんどないのに検査だけ陽性になることもあります。特に「溶連菌」は、のどに菌を持っているだけで悪さをしていない「保菌」の状態でも陽性に出ることがあり、陽性=必ずお薬が必要、とは限りません。この検査は「いる・いない」を調べるだけで、量の多さや重症度まではわからない検査です。
また、検査には対象になる年齢や状況が決まっているものもあります。たとえば「RSウイルス」や「ヒトメタニューモウイルス」の検査は、入院が必要な場合や乳児、特定の条件にあてはまる場合など、結果が治療方針を変える状況で行います。結果が方針を変えない場合は、検査をしなくても診療の内容は変わらないため、あえて検査を省略することがあります。これはお子さんの負担を減らすための判断です。
検査は綿棒でのどや鼻の粘膜を数秒こするだけです。一瞬チクッとしたり、くすぐったく感じることがありますが、痛みはすぐに終わります。
結果が出たら、診察の中で今後の方針(お薬の要否・登園登校のめやす・ご家族への注意点)をご説明します。お薬は診察で決めます。
おうちでのケア
Q. 検査で「陰性」と言われたのに、次の日にまた熱が上がりました。検査は間違っていたのですか?
A. 発症してすぐの時期は、検査で見つけられるほどウイルスや細菌が増えていないことがあります。特にインフルエンザは発症から半日ほどのうちは見つかりにくい傾向があります。症状が続く・悪くなるときは、時間をおいての再検査や、症状からの診断で対応することがあります。
Q. 3歳未満なのに溶連菌の検査をしないと言われました。見逃されていませんか?
A. 3歳未満のお子さんは、そもそも溶連菌によるのどの炎症になること自体が少ないことがわかっています。そのため、まわりで流行っていたり、感染した人と近くで接していたりしない限り、検査を行わないことがよくあります。心配な症状が続く場合は遠慮なくご相談ください。
Q. 「溶連菌陽性」と言われたのに、お薬はいらないと言われました。おかしくないですか?
A. のどに溶連菌を持っているだけで、悪さをしていない「保菌」というケースがあります。学童期のお子さんでは一定の割合でみられ、この場合は必ずしも抗菌薬が必要とはかぎりません。症状の強さや周りの状況を見て判断しています。
Q. RSウイルスやヒトメタニューモウイルスの検査はしてもらえないのですか?
A. これらの検査は、入院が必要な場合や乳児、特定の条件にあてはまる場合など、結果が治療方針を変える状況で行うことになっています。診察の様子から検査をしなくても方針が変わらないと判断した場合は、お子さんの負担を減らすために検査を省略することがあります。
Q. 検査は痛いですか?子どもが嫌がらないか心配です。
A. 綿棒でのどや鼻の粘膜を数秒こするだけの検査です。一瞬チクッとしたり、くすぐったく感じることがありますが、すぐに終わります。
Q. 心配なので、関係ありそうな検査を全部一度にやってほしいのですが。
A. 症状や状況に応じて、必要な検査を医師が選んで行います。関係の薄い検査まで一度に行うことは、お子さんの負担になるだけでなく、必ずしも診断や治療方針の助けにはなりません。気になる症状があれば遠慮なく診察でお伝えください。
Q. 新型コロナウイルスが陽性でした。治った後も気をつけることはありますか?
A. ほとんどのお子さんは通常どおり回復します。まれに、治ってから数週間たってから高熱や発疹、目の充血などの症状が出ることがあります。その場合は自己判断せず、早めに受診してください。