「肺炎」という言葉を聞くと心配になるかもしれませんが、お子さんの肺炎の多くは、適切な見きわめとケアでゆっくり回復していきます。診断の考え方と、おうちで気をつけていただきたいことをまとめました。
肺炎は、かぜのウイルスや細菌が、のどよりもっと奥にある「肺」まで入り込み、炎症を起こす病気です。肺は酸素を体に取り込む大切な場所なので、そこが腫れると呼吸が速くなったり、苦しそうになったりすることがあります。
お子さんの肺炎には、大きく分けて3つのタイプがあります。
主な症状は、発熱、咳、呼吸が速い・苦しそうな様子、聴診での異常な呼吸音です。かぜとの見分けは、診察でくわしく確認します。
肺炎球菌(小児用13価・15価)やヒブのワクチンを受けていると、重症化しやすい細菌性の肺炎のリスクを下げられることがわかっています。母子手帳に記録された接種歴は診断の参考になりますので、診察のときに教えてください。
また、せき込んだときにのどに何かを詰まらせた、あるいは誤って飲み込んだかもしれない、という心当たりがある場合は、肺炎とは別の原因が隠れていることがあるため、必ず診察時にお伝えください。
肺炎の診断でいちばん大切なのは、レントゲンや血液検査そのものよりも、実際にお子さんの呼吸の様子・呼吸数・聴診音を診察で確認することです。軽症と判断できる場合は、レントゲンや血液検査をせずに診断・治療方針を決めることも少なくありません。中等症以上が疑われる場合や、入院を検討する場合には、レントゲンや血液検査で状態を詳しく確認します。
お薬は診察で決めます
お薬の種類や量は、お子さんの体重・年齢・症状の程度に応じて、その都度医師が判断します。この資料には一般的な考え方のみを記載し、個別の投与量は記していません。ご不明な点は診察時に遠慮なくお尋ねください。
抗生物質を使い始めてから2〜3日(48〜72時間)たっても熱が下がらない、あるいは一度下がった熱がまた上がってくる場合は、お薬が効きにくいタイプの可能性や、別の病気の可能性を含めて見直しが必要です。指示された受診日を待たず、早めにご連絡・受診してください。
Q. ただのかぜと肺炎は、どう違うのですか?
A. かぜは主に鼻やのどの症状にとどまりますが、肺炎はウイルスや細菌が肺まで入り込み炎症を起こした状態です。呼吸が速い・苦しそうといった様子が、見分けの大きな手がかりになります。ご家庭での判断が難しい場合は、診察でしっかり確認します。
Q. レントゲンや血液検査は必ずするのですか?
A. 軽症と判断できる場合は、診察の所見(呼吸の様子・呼吸数・聴診音)だけで診断・治療方針を決めることが多く、レントゲンや血液検査を必ずしも必要としません。中等症以上が疑われる場合や、経過をより詳しく確認したい場合には、必要に応じて行います。
Q. 抗生物質は必ず必要ですか?
A. 細菌性やマイコプラズマによる肺炎が疑われる場合は抗生物質を使いますが、ウイルス性のみが強く疑われる場合は抗生物質を使わずに経過をみることもあります。抗生物質を使うかどうか、どの種類を使うかは診察で判断します。
Q. きょうだいや家族にうつりますか?
A. 原因となるウイルスや細菌は、せき・くしゃみのしぶきや接触でうつります。特にマイコプラズマは家庭内や学校で広がりやすいことが知られています。手洗い・咳エチケットを心がけてください。
Q. 予防接種は肺炎の予防に関係ありますか?
A. 肺炎球菌ワクチン(13価・15価)やヒブワクチンを受けていると、重症化しやすい細菌性の肺炎のリスクを下げられることがわかっています。まだ接種が済んでいない場合は、規定のスケジュールに沿って受けることをおすすめします。
Q. 保育園・幼稚園・学校はいつから行っていいですか?
A. 肺炎そのものに一律の登園・登校基準はありません。熱が下がり、全身の状態が良くなっていることを目安に、園・学校ごとの運用も確認しながら主治医と相談して決めてください。
Q. 咳がなかなか治りません。大丈夫でしょうか?
A. 熱が下がったあとも、咳だけは数週間残ることがあります。特にマイコプラズマによる肺炎では咳が長引きやすい傾向があります。咳以外の様子(元気さ、食欲、呼吸の様子)が落ち着いていれば、心配しすぎなくて大丈夫なことが多いですが、気になる場合は再診でご相談ください。
Q. 抗生物質を飲んでいるのに熱が下がりません。
A. お薬を始めてから2〜3日(48〜72時間)は、効果が出るまでの経過とみなせることが多いですが、それを過ぎても熱が下がらない、あるいは悪化する場合は、お薬が効きにくいタイプの可能性や、ほかの病気の可能性を含めて見直しが必要です。早めにご連絡・受診してください。