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こどもの肥満について
体重や体型のことで心配になることもあると思います。多くのお子さんは、おうちでの生活を少し整えることで、無理なく良い方向に向かっていきます。あわてず、一緒に見ていきましょう。
これは何?
肥満は、体質・生活リズム・食事や運動の環境など、いろいろな要因が重なって起こるものです。「本人や家族の努力が足りない」ことが原因ではありません。
お子さんは大人と違い、まだ身長が伸びている途中です。そのため「体重を減らす」のではなく、「身長の伸びに対して体重の増え方を緩やかにし、体格のバランスを整えていく」という考え方で経過をみます。数か月〜年単位のゆっくりとした時間軸で良くなっていくことが多い状態です。
ほとんどのお子さんは、生活習慣を見直すことで体格のバランスが整っていく「単純性肥満」です。ごくまれに、ホルモンなど体の他の部分に原因がある「二次性肥満」というタイプもあり、診察ではその可能性がないかもあわせて確認しています。
どんな病気か
- 体格のバランスの確認:身長・体重を測り、年齢に応じた基準(幼児はカウプ指数、6歳以降は「肥満度」という指標)で確認します。あわせて、これまでの身長・体重の伸び方(成長曲線)も必ず見ます。身長の伸びがしっかり保たれているかどうかが、単純性肥満か二次性肥満かを見分けるいちばんの手がかりになるためです。
- 体への負担のチェック:診察や採血で、血圧・肝臓の働き・血液中の脂肪分・血糖値などを確認することがあります。これは「今の体格が体に負担をかけていないか」を早めに見つけるための検査で、必ずしも全員に必要というわけではなく、年齢や状態に応じて診察の中で判断します。
- 見た目のサイン:首やわきの下、脚の付け根あたりの皮膚が黒っぽく厚くなっていることがあります(黒色表皮腫)。これはインスリンの効きにくさなど、体からのサインのひとつです。気づいたら診察で遠慮なく教えてください。
- ほかの病気がかくれていないかの確認:身長の伸びが悪い、成長のペースがゆっくりになってきた、といった様子がある場合は、ホルモンなど体の他の部分に原因がある「二次性肥満」の可能性をあわせて調べます。必要に応じて専門の科と連携することがあります。
おうちでのケア・登園/登校の目安
- 食事は「厳しく制限する」のではなく、お菓子やジュースなど糖分の多い飲食物を少しずつ調整するイメージで大丈夫です。成長期のため、たんぱく質など必要な栄養を極端に減らす食事は避けます。
- 体を動かす時間は、外遊びを含めて1日合計60分程度を目安に、家族みんなで取り組むと続けやすくなります。
- 体重や食事の記録をつけたり、「お菓子は1日1回まで」など、達成できそうな小さな目標から始めることが長続きのコツです。
- 家族全体で取り組みましょう。お母さんだけに任せず、お父さんも含めて家族みんなで食事や生活リズムを整えていくことが大切です。体重や体型のことで本人を責めたり叱ったりすることは避けてください。自信を失わせてしまい、かえって取り組みが続かなくなることがあります。
- 登園・登校を控える必要はありません。肥満そのものは登園・登校を制限する理由にはなりません。運動も基本的に制限は不要です。合併症がある場合の運動の目安は、診察で個別にご相談します。
こんなときはすぐ受診してください
- 体重の増え方が急に早くなった、または身長の伸びが止まった・鈍くなったように感じる
- 頭痛が続く、吐くことを繰り返す、物の見え方がいつもと違う
- のどが異常に渇く、おしっこの回数や量が増えた、それとともに体重が減ってきた
- 大きないびき、呼吸が止まっているように見える、日中の強い眠気、朝の頭痛、おねしょが新しく始まった
よくあるご質問
Q. 太っているのは本人や親のせいですか?
A. いいえ、違います。体質や生活環境などいろいろな要因が重なって起こるもので、本人や保護者の努力不足が原因ではありません。叱ったり責めたりすることはかえって逆効果になることがわかっており、家族みんなで穏やかに生活を整えていくことがいちばんの近道です。
Q. お薬で治すことはできますか?
A. ほとんどのお子さんでは、まず食事・運動・生活リズムを整えることが治療の中心で、体重を減らす目的のお薬を使うことは基本的にありません。検査で血糖値などに気になる変化が見つかった場合には、それに対するお薬を組み合わせることがあります。お薬を使うかどうか、どんな種類・量にするかは、検査結果をふまえて診察で決めます。市販のサプリメントやダイエット食品を自己判断で使うことは避けてください。
Q. どのくらいで体重が落ち着きますか?
A. お子さんは身長が伸びている途中なので、「体重を減らす」よりも「身長の伸びに対して体重の増え方を緩やかにする」という、数か月〜年単位の時間をかけて経過をみていきます。あせらず、少しずつの変化を一緒に確認していきましょう。
Q. 運動やプールは控えたほうがいいですか?
A. 基本的に控える必要はありません。体を動かすこと自体が治療の助けになります。合併症がある場合は、その内容に応じて診察で個別にご相談します。
Q. 定期的な通院は必要ですか?
A. はい。1〜3か月ごとを目安に、体重・体格のバランス・成長曲線・生活の様子を一緒に確認していきます。改善がゆっくりな場合や、体の負担が大きいと考えられる場合には、栄養相談や専門の外来をご紹介することもあります。