便秘は「がまんが足りない」「しつけの問題」ではなく、治療が必要な体の状態です。あわてず、順番に治していきましょう。
お子さんの便秘とは、うんちの回数が少ない、うんちが硬くて出すときに痛がる、我慢するような仕草をする、といった状態が続くことをいいます。目安として、次のような様子が1か月以上続く場合は「便秘」として治療の対象になります。
こうした様子がすべて揃っている必要はなく、いくつか当てはまる、あるいは「排便が少なくつらそう」というだけでも便秘として診てご相談いただけます。とてもよくあることで、多くの場合きちんと治療すれば良くなります。
一度うんちが硬くて痛い思いをすると、お子さんは無意識に「出すのを我慢」するようになります。我慢しているうちに、うんちはどんどん直腸(お尻の出口に近い場所)にたまり、大きく硬い塊(便塊/べんかい)になっていきます。塊が大きくなるほど出すときに痛くなり、さらに我慢する……という悪循環が起きやすいのが、こどもの便秘の特徴です。
「下着が汚れる」のは、実は便秘のサインのことがあります。大きな便塊のまわりから、ゆるいうんちが少しずつ漏れ出てしまうことがあり、これを下痢や失敗と間違えやすいのですが、多くはうんちが詰まっているサインです。特有のにおいを伴うこともあります。「下痢止め」で様子を見るのではなく、まずは診察でご相談ください。
また、便秘のほとんどは体の他の病気が原因ではありませんが、まれに神経や腸の生まれつきの状態が関係していることもあるため、診察では念のため体重の増え方や、お腹・背中・お尻の様子なども確認します。
治療は大きく2つの段階に分かれます。
①の段階では、浣腸を使うことがあります。ただしこれはあくまで一時的に出し切るための処置で、日常的に繰り返し使うものではありません。繰り返し使うと効きにくくなったり、薬に頼りがちになったりすることが分かっているため、続けて使いたい場合も自己判断せず医師にご相談ください。
治療を始めた最初の数日〜1週間は、うんちが増えたり、下着が汚れたり、お腹が痛くなったりすることがあります。これは治療がうまくいっている途中で起こりうる、一時的な反応です。心配しすぎず、続けてみてください。
維持のお薬は、目安として半年〜2年程度、続けることが多いです。「規則正しく出るようになった=治った」と自己判断で早くやめてしまうと、高い確率でまた便秘に戻ってしまいます。医師が「減らしてよい」と言うまでは続けてください。おむつが外れる前のお子さんは、トイレが自立するまで治療を続けるのが基本です。
そのほか、おうちでできることとして次のような工夫があります。
Q. 便秘は生まれつきの体質ですか?
A. 体質が関係することもありますが、多くは「痛い思いをした→我慢する→さらにたまる」という悪循環で悪化していきます。原因は体質だけではないので、きちんと治療すればほとんどの場合良くなります。
Q. 浣腸は毎回使ってもいいですか?
A. おすすめしません。浣腸はたまったうんちを一時的に出し切るための処置で、繰り返し使うと効きにくくなることが分かっています。日常的な排便のコントロールには、飲み薬による治療を続ける方法が基本です。
Q. お薬はいつまで飲み続けますか?
A. お子さんによって差がありますが、半年〜2年程度と、比較的長く続くことが多いお薬です。途中でやめてしまうと再発しやすいため、医師の指示があるまで続けてください。種類・量は診察で決めます。
Q. お尻から指で診る検査は必ずしますか?
A. 必要と判断した場合のみ行います。体に触れる検査のため、事前にしっかり説明し、了承をいただいてから行います。ご希望に沿わない場合は、お腹の診察や他の方法で代わりに確認することもできますので、ご相談ください。
Q. 治ったかどうかはどう分かりますか?
A. 排便が痛みなく規則的にできる状態がしばらく続くことが目安です。それでも一定の割合でまた便秘に戻ることがあるため、お薬を減らしたあとも、しばらくは診察で経過を見せていただくことをおすすめします。