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くり返す嘔吐(自家中毒・アセトン血性嘔吐)について

「また同じように吐き始めた」「何度もくり返している」。そんなとき、保護者の方は心配になると思います。自家中毒(アセトン血性嘔吐症)は、多くのお子さんが2〜10歳ごろに経験する、くり返す嘔吐の発作です。おうちでの対応で乗り切れることが多い一方、まれに他の病気が隠れていることもあるため、見分け方もあわせてまとめました。

これは何?

自家中毒は「アセトン血性嘔吐症」「周期性嘔吐症」とも呼ばれ、突然吐き始め、何度もくり返し吐いて、顔色が悪くぐったりする発作です。発作と発作の間はすっかり元気に過ごせるのが特徴で、これを「周期性」と呼びます。

体の中のエネルギー源であるブドウ糖が一時的に不足すると、体は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。このときにできる「ケトン体」という物質が増えることで吐き気が起こると考えられており、呼気がりんごが傷んだような、少し甘酸っぱいにおいになることがあります。

珍しい病気ではありません
やせ型のお子さんに多いとよく言われますが、体格に関わらず起こります。多くは、大きくなって体が必要とするブドウ糖の量に余裕が出てくる10歳前後になると、自然に発作を起こさなくなっていきます。

どんな病気か

次のようなきっかけで起こりやすいことが知られています。

典型的な経過は、元気がなく食欲が落ちる→急に吐き始める→吐くものがなくなっても吐き気が続き、胃液や胆汁のようなものを吐く→顔色が悪くぐったりする、という流れです。おなかや頭の痛みを伴うこともありますが、下痢を伴わないことが多いのも特徴です。

診察では、尿検査(尿ケトン)と血糖の測定で確認するのが基本です。何度も同じパターンをくり返しているお子さんであれば、毎回たくさんの検査をする必要はありません。一方で、はじめての発作のとき、いつもと様子が違うとき(後述の「すぐ受診してほしいサイン」)は、念のため追加の検査をご提案することがあります。

おうちでのケア・登園/登校の目安

お薬は診察で決めます
おうちでの糖分補給だけで良くなることも多いですが、吐き気が続く場合はお薬を使ったり、点滴でブドウ糖を補ったりすることがあります。お薬を使うかどうか、どのお薬をどれくらい使うかは、そのつど診察で医師が判断します。この資料には一般的な考え方のみを記載し、個別の投与量は記していません。

登園・登校の目安:自家中毒は感染症ではないため、学校保健安全法上の出席停止(登園・登校制限)の対象にはなりません。吐き気がおさまり、いつも通り水分や食事がとれるようになれば登園・登校して大丈夫です。

こんなときはすぐ受診してください

迷ったときは、遠慮なく受診・お問い合わせください。「様子を見すぎない」ことも大切です。

よくあるご質問

Q. きょうだいや周りのお友だちにうつりますか?

A. 自家中毒は感染症ではないので、うつることはありません。体質的にくり返しやすいお子さんがいますが、周りに気を遣う必要はありません。

Q. 家でジュースを飲ませても、また吐いてしまいます。

A. 一度にたくさん飲ませると、かえって吐きやすくなります。スプーン1杯程度のごく少量から始め、吐かなければ少しずつ量を増やしてください。少量でも受け付けない状態が続くときは受診し、点滴でブドウ糖を補うことを検討します。

Q. 毎回、血液検査やレントゲンなどの検査が必要ですか?

A. 典型的なパターンをくり返しているお子さんであれば、毎回たくさんの検査をする必要は基本的にありません。尿検査と血糖測定で十分なことが多いです。はじめての発作や、いつもと様子が違うときには、追加の検査をご提案することがあります。

Q. いつ頃おさまりますか?

A. 個人差はありますが、多くのお子さんは体が大きくなる10歳前後になると、自然に発作を起こさなくなっていきます。体が必要とするブドウ糖の量に対して、体重・筋肉量が増えて余裕が出てくるためと考えられています。

Q. 大きくなってからも何か関係しますか?

A. くり返す嘔吐の体質は、成長とともに嘔吐ではなく頭痛(片頭痛)として現れるようになる場合があるとされています。将来的に頭痛が出てくることがあっても、過度に心配する必要はありません。気になる場合は診察でご相談ください。

Q. 予防のためにできることはありますか?

A. 発作が起きやすいタイミング(行事の前日、体調不良のとき、食欲が落ちているときなど)を把握し、本格的に吐き始める前の「なんとなく元気がない」段階で、早めに少量の糖分を与えることが予防につながります。夕食を抜かないようにすることも大切です。

この資料は一般的な説明です。お子さんごとに判断は変わります。気になることは遠慮なく主治医におたずねください。
※この情報は一般的な教育目的です。個別の診断・治療の代わりにはなりません。/AMPL