耳の下やあごの下が腫れて、心配されていることと思います。多くは1〜2週間ほどで自然に良くなる病気ですが、ごくまれに耳の聞こえなどに関わることがあるため、おうちでの過ごし方と一緒に、注意していただきたいサインを確認しましょう。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによる感染症です。せきやくしゃみ、だ液などを通してうつり、耳の下にある「耳下腺(じかせん)」という、だ液を作る場所が腫れるのが特徴です。
ウイルス感染症のため、このウイルスだけをやっつける特効薬はありません。多くのお子さんは、体の力で自然に治っていきます。かかった方の3割ほどは、目立った症状が出ないまま経過することもあります。
頭痛や体のだるさ、発熱に続いて、片側または両側の耳の下(耳下腺)がふくらんできます。腫れは2日ほどでピークになり、多くは1週間〜10日、長くても2週間ほどで引いていきます。はじめは片側だけのことが多いですが、経過の中で反対側も腫れてくることがよくあります。すっぱいもの(レモンや梅干しなど)を食べると、唾液が出て痛みが強くなりやすいです。
お子さんによっては、耳下腺の腫れを何度も繰り返すことがありますが、これは「反復性耳下腺炎」という別の状態で、発熱も軽く、おたふくかぜとは経過が異なります。初めての腫れのときは区別がつきにくいこともあるため、繰り返すかどうかも含めて診察で経過をみていきます。
検査について
多くの場合、腫れ方や周りの流行状況などから、診察だけで診断できます。血液検査やウイルスの検査(PCRなど)は、症状が典型的でない場合や、診断をはっきりさせる必要がある場合にのみ行います。
Q. 血液検査をしなくても大丈夫ですか?
A. はい。おたふくかぜは、腫れ方や周りの流行状況などから診察で診断できることがほとんどです。血液検査やウイルスの検査は、症状が典型的でない場合や診断をはっきりさせたい場合にのみ行います。
Q. 耳の聞こえが心配です。どんなときに注意すればいいですか?
A. まれに、片方の耳の聞こえが悪くなることがあります。腫れが軽いお子さんでも起こりうるため、「軽症だから大丈夫」と決めつけず、聞こえにくさ・耳鳴り・呼びかけへの反応の乏しさ・ふらつきに気づいたら、すぐにご連絡・受診ください。早めに耳鼻咽喉科での聴力チェックにつなげることが大切です。
Q. 保育園・幼稚園・学校はいつから行けますか?
A. 耳の下・あごの下の腫れが出てから5日を経過し、かつ全身状態が良好であることが目安です(学校保健安全法の基準)。腫れ自体は2週間ほど残ることもありますが、それを理由に長く休む必要はありません。最終的な基準は通っている園・学校にご確認ください。
Q. ワクチンは受けた方がいいですか?
A. おたふくかぜワクチンは現在、任意接種です(2回接種が推奨されています)。まれに起こる耳の聞こえの問題などを防ぐ意味でも、まだ受けていないごきょうだいなどがいらっしゃれば、接種のタイミングを診察でご相談ください。妊娠中の方や体の抵抗力が弱っている方、熱があるとき、卵に強いアレルギーがある方などは接種のタイミングを調整することがあるため、体調や持病について診察で必ずお伝えください。
Q. 一度かかったら、もうかかりませんか?
A. 多くの場合、一度感染すると免疫がつき、再びかかることは少ないとされています。ただし、似たような腫れを繰り返すお子さんの中には、別の状態(反復性耳下腺炎など)のこともあります。繰り返す場合は診察でご相談ください。